• 2016.10.25
  • ジョニーアップルシードフェスティバル 2016
頭に鍋を被り、リンゴの種を携え、現在のアメリカ東部から中西部にあたる未開の地だった場所を裸足で回ったと言われている「ジョニー・アップルシード」。
オハイオ州・インディアナ州に 教えを説きながらりんごの種を植えて回ったという、実在した人物です。「ジョニー・アップルシード」とは彼の愛称であり、本名は「ジョン・チャップマン」。 アメリカ合衆国初期の開拓者として伝説的な人物の一人で、現在も様々な逸話が語り継がれています。そんな彼の当時の生活を共有し、歴史的な興味を刺激するという目的もあり、インディアナ州では毎年「ジョニーアップルシードフェスティバル」が開催されています。
1974年から毎年、各地から沢山の方が訪れるこのお祭り。 第42回目の開催となる今年、私も行くことができました!

土曜日・日曜日と二日間にわたり開催されていたのですが、土曜日があいにくの雨だったこともあり、皆さんこぞって日曜日に訪れていたのでしょう。私も日曜日、混むことを予想して朝早くから行きましたが、すでに沢山の方で賑わっていました。

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普段はキャンプをすることもできる、緑がいっぱいのとても広い公園が会場です。 フードブースにクラフトブースをはじめ、ファーマーズマーケットやデモンストレーターエリア、チルドレンエリアやエンターテインメントなど、様々なかたちで当時の生活を体験することができます。フードブースの調理はプロパンガス・電気の使用は禁止、スタッフの方々も服装が決められていて、1800年代当時の格好をされています。現代的なものは一切使用されず、1800年代に入手/使用可能であったものに統一されているのです。
お祭りといえば屋台が大きな楽しみのひとつですが、このお祭りは特に、「りんご好き」の方にはたまらないお祭りです! フードブースでは、このお祭りのシンボル、「りんご」のフードがとても充実しているんです。

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キャラメルアップル、アップルクリスプ、アップルパイ、アップルフリッター、アップルダンプリング(りんごをパイ生地で包み焼いたお菓子)・・・そして手動でプレスされたアップルサイダー!(サイダーと言っても炭酸ではなく、りんご果汁を絞ったそのままのドリンク)他にも様々な「りんごのお菓子」を楽しむことができます。

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写真は、手動でりんごをプレスしているところです。絞りたてのアップルサイダーはフレッシュで本当に美味しく、りんごそのものを味わうことができます。アメリカでは秋になると大人気のドリンクです。 もちろんりんごのお菓子ばかりではありません。
ベイクドポテト、ポークチョップ、ターキーレッグ、コーンブレッド、バッファローバーガーなど。炭で焼かれているので、会場がスモーキーな香りに包まれていて、食欲をそそられます。 ・・・日本のお祭りでは見かけることの無い、レモネードやルートビアも大人気です。

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こちらは「ハニースティック」と呼ばれる、様々なフレーバーの蜂蜜がプラスチックストローに入っているもの。端を切ってそのまま食べることができます。「ピンクレモネード」というフレーバーに惹かれ、試してみましたが、甘すぎずとても美味しかったです。

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とても大きな鍋で作られていたスープ(写真:左)鉄製の大きなやかんで作られていたカラメルコーン(=ポップコーン)(写真:右)

前述のとおり、このお祭りではガス・電気の使用が禁止。1800年代に使用されていた方法で調理しなくてはなりません。そして使用する食材も、当時入手可能であったものでないといけないようです

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フードの売り手の方々は、運営側に純利益の20%を返すことが約束されています。この収入によって、毎年来場者から入場料を収集せずともフェスティバルを運営することができているそうです。そして売り手の殆どは非営利団体。学校や教会、ライオンズクラブやボランティア団体です。

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会場である公園には、「Johnny’s Grave」=ジョニーの墓石も。(※実際の彼が葬られた場所については様々な議論があります)囲いの中に、リンゴが供えられていました。


様々な手作り雑貨を購入できるクラフトブースでは、当時、ジョニーがりんごの種を蒔いて歩いた荒野で手に入った材料(木、布、ガラスなど)らで作られた品物が多く揃っています。

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(アップルベーカーという、りんごを焼く専用の器まで!! 写真:右)

アンティークエリアもあり、家具・骨董品はもちろん、お皿やキッチン道具、ビンテージものの衣類や宝石類も揃っていました。また、ハロウィン・クリスマスのオーナメントもたくさんありました。

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(秋を感じるこちらのリースも全て手作り。裏で実際に作っていらっしゃいました)

そして新鮮な野菜や果物を購入することのできるファーマーズマーケット。

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(写真を撮ろうとすると、皆さん笑顔で集まってくださいました)

植物やドライフラワー、美味しそうなパン、マフィン、クッキー。そして蜂蜜やジャムなど、全てインディアナ州・ミシガン州・オハイオ州の農場で生産されたローカルな商品が並んでいました。やはりこのエリアでも、メインのりんごがズラリと並んでいて、アップルサイダーも販売されていました。

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とても大きなお祭りで、会場を一周した頃にはすでにお昼をまわっていたほど。今回は主に、フード・クラフトブースについてご紹介しましたが、他のエリアも当時を彷彿とさせる雰囲気に満ちていました。現代生活に慣れてしまっている私にとって、見るもの全てが新鮮で、とても興味深いものばかりでした。歴史を学び知る良い機会にもなりましたが、1800年代当時の工夫に富んだ生活は、便利な“もの”に溢れている現代生活について、改めて考えさせられる機会にもなりました。便利なものに頼りすぎず、必要最低限のものに囲まれた無駄の無い生活をしていきたいものです。



特派員

  • アンダーソン 江里加
  • 職業専業主婦

結婚を機に、2016年5月、アメリカに移住しました。
日本で教わった繊細で美味しいお菓子を広めるため、日々お菓子を作り研究している専業主婦です。

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