• 2017.03.03
  • ブルックリン・ライフ
私はブルックリンに住んでいて、この街が本当に大好きです。
ニューヨーク出身者でなければ、マンハッタンとブルックリンの間に果てしない議論があることをご存知ないかもしれませんが、 ニューヨーク市はマンハッタンだけを指すと信じている人と、ニューヨーク市はマンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクス、スタテンアイランドの5つの区に分かれている(もちろん経済的な意味でも)と考えている人がいます。

ですから、この5つの区ではマンハッタン・スノッブとブルックリン・ラバーが飽くなき「闘い」を繰り広げているのです。
マンハッタンかブルックリンか、それが問題だ……というわけです。

ニューヨーク市に引っ越すまでは、ブルックリンになんて絶対住みたくないと思っていました。ブルックリンはマンハッタンほど「クール」には見えなかったし、子供と大きな犬がいる家族向けの退屈な住宅地だと思い込んでいましたから。私はこの考えに凝り固まっていました。私にとってのニューヨークはマンハッタンだけだったのです。このイメージはニューヨーク市を舞台にした映画やテレビシリーズによって植え付けられたものでした。そこには他の区の存在など感じられません。私はかつて1度だけ、ブルックリンのコニーアイランドを足早に見て回ったことがありましたが、その辺りは私の好みから言えばちょっと静かすぎる印象でした。そして私は、この短い滞在で垣間見た印象だけで、ブルックリン地域全体に対する偏見を膨らませてしまいました。ここで皆さんに知っておいていただきたいのは、私は目まぐるしいニューヨーク・ライフを満喫していて、私にとって街の喧騒はとても居心地よく、安心できるものだということです。ネオンサインや人混み、慌ただしさが好きなのです! はじめてマンハッタンからブルックリンへ一時的に引っ越したときは、亡命者のような気分を味わい、タクシーに荷物を積んで橋の向こう側へ移動しながらとても悲しい気持ちになりました。
ニューヨークから離れてしまうような気がして、引っ越し後は社会生活が一変してしまうように感じていました。


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もちろん、私が考えを改めるようになるのは時間の問題でした。それも数日ではなく、数時間です。
実は親切な友達がいて、彼のおかげと感謝しています。
彼は真っ先に私を連れ出してくれて、新しい地元となったブルックリンハイツを一緒に歩きながら、私はおいしいベトナム料理店や、今や大のお気に入りとなったかわいいカップケーキカフェ、本格的なイタリア料理のデリも見つけることができました。
私はこのエリアが寂しさとは無縁の、楽しく刺激に満ちた場所だということにすぐ気が付きました。特に夜は充実しています!
この界隈には生演奏を聴けるバーが数え切れないほどあります。驚くほど活気があって、どんな好みの人でも何かしら楽しみを見つけることができます。
月に1度はブルックリン美術館が夜に無料のサルサ・パーティーを開催します。
午後6時に間に合えば無料レッスンに参加できますし、7時になるともっと本格的な感じになって、DJが音楽を流し出すのでみんな踊り始めます。8時半にはプロのサルサ・ダンサーたちがステージで情熱的な踊りを披露してくれるので、ここからは椅子に深く腰掛けて、グラス一杯のおいしい(そして運動後のご褒美の)ワインやサングリアを楽しみながら、のんびりとショーを楽しむことができます。

ある晩など、クラブにいてふと気付いたら、最大級のエレクトロニック・ミュージックバンドが生演奏していました!
しかも、無料で聴けるのですから。
ブルックリンには「ニューヨーク気分」に浸れるアイコン的な場所や街角がいくつかあり、こうした場所にはニューヨークならではの絵画のような風景が広がっています。ブルックリンのウイリアムズバーグは特にそうです。
引っ越し後間もなく、私は朝食がとれる居心地のいいレストランに足繁く通うようになりました。ここでは、他では味わえない最高のカプチーノとヌテッラ(ヘーゼルナッツ入りチョコレート・スプレッド)のクロワッサンが楽しめるのです。
ブルックリンハイツには、こじんまりした素敵なカフェがいっぱいあって、パリの雰囲気に浸りながらフレンチスタイルのブランチをとったり、天気がよければ素敵なテラスに座って日光浴を楽しんだりできます。
それから、ショップについても紹介しておきましょう。ウイリアムズバーグはニューヨーカーがイメージする、ステレオタイプなヒップスターたちの隠れ家をはるかに上回る場所だと実感しています。ノース6thストリートを歩いて、ヨーロッパ風のトレンドをぜひ肌で感じてみてください。

ブルックリン・ライフでのお気に入りで、まだ紹介していないことがあるとすれば、それはマンハッタンの見事な景観です。
マンハッタンに住んでいるときは気付きませんでしたが、フェリーでスタテンアイランドに渡ったり、橋を使って他の区へ移動したりしない限り、美しいマンハッタンのスカイラインを眺めることはできません。
本当にうっとりするような眺めです。
特に、マンハッタン橋高架道路下(DUMBO)のワシントンストリートから眺めるマンハッタン橋の素晴らしい景色(映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』に出てくるような)は、少なくとも見る価値があります。
ウイリアムズバーグには息をのむような風景があります。例えば、以前たまたま地下鉄を降りたら、これまでの人生で見た中で一番きれいなピンク色の空に包まれていました。夕焼けに抱きしめられながら、どこから見てもピンク色の雲しか見えませんでした。その光景のあまりのすごさに、うれしくて叫ばずにはいられないほどでした!
要するに、私は結局のところブルックリンのとりこになってしまったわけです。この地を訪れることがあったら、ぜひみなさんにもそうなってほしいと思っています。


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特派員

  • クラウディア・ ディアス
  • 年齢午(うま)
  • 性別
  • 職業ニューヨーク大学教授

私は、ニューヨーク大学でスペイン文学と演劇の教授をしていますが、もともとはカリフォルニア出身です。余暇には長い時間散歩をするのが好きです。ニューヨークでは常になにか新しいものをあちこちで見つけることができるので、それが本当に大好きです。この街のお気に入りの季節は秋です。秋にはセントラル・パークの紅葉が素晴らしく、私の大好きなハロウィーンもあるからです。
私のブログを通してみなさんにニューヨーク市と、私の住むブルックリンに興味を持っていただきたいと思います。また、ここに住む人間の目から見たビッグアップルについての新たな視点を紹介したいと思います。

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