• 2016.02.12
  • 進化するベルリンのスタートアップコミュニティー
世界中から集まったクリエイターによって刺激的な街に彩られるベルリン。異なった発想もボーダーレスで行き交う自由な空気が溢れています。特にベルリンはドイツの中でもテックハブの都市と言われていて、ヨーロッパのシリコンバレーとも呼ばれています。



私がベルリンに引っ越した当時、すぐにネットを利用したかった時に知り合いのドイツ人に案内されたのが、カフェ「ザンクト・オーバーホルツ」でした。

StOberholz

フロアに電源タップが這わせてあったり、壁にもタップがぶら下げてあったりして、お客は勝手にパソコンの電源として使えるという所でした。もちろんフリーwifiのパスワードももらえます。
今でこそ普通になったカフェのスタイルだし、そもそもネットサーフィンできないカフェはカフェじゃない時代となりましたが、通信インフラを持たない引っ越し直後の外国人の自分にとっては、ネット難民から離脱できる便利なカフェでした。
実は数々のスタートアップ企業を生んでいるカフェとしても有名で、私が利用し始めた頃、サウンドクラウドもここからスタートしていました。AirBnBの為にアプリ開発をしていたイタリア人たちもいました。

こんなカフェ以外にもスタートアップコミュニティーを生む要因があります。それがシェアオフィスの存在です。ザンクト・オーバーホルツもアコモデーションを提供していて、そこをシェアオフィスとして利用するメンバーもいます。他に、アゴラコレクティヴ、ベータハウス、アホイ!、クラブオフィス、コ・アップ、ラウムスタチオンなど。会社として登記もできるシェアオフィスだったり、1日、週、月単位でレンタルできるオフィスだったり、こういう環境が整うベルリンだからこそ、続々とキックスターターが勃興するのだと思います。

そしてここ数年噂になっているのが、「シリコン・アレー(※)」とネーミングされたシェアプロジェクトの存在です。アメリカからやってきたシュイラーとトラヴィスがサンフランシスコでの経験をもとに企画をスタート。ベルリンのスタートアップ・コミュニティーを再定義し、ミートアップ、イベント、そして英語のブログを運営しています。これらの「場」をテッキーピープルに解放し、情報を共有させる。それによってベルリンは、アントレプレナーにとって世界でトップクラスのテックハブ都市になろうとしています。今年5周年になるベルリンのシリコン・アレーは、ネットを介して情報やスペースを共有し、ITベースの刺激的なテック・クリエイターを育む「テック・エコシステム」と同義語になるほどの成長ぶりを見せています。

※アレー(Allee):ドイツ語で並木道の意味。シリコンヴァレーと掛けて用いられている。

特派員

  • 羽生 和仁
  • 年齢午( うま )
  • 性別男性
  • 職業キュレーター、メディアアートマネージメント

2001年ベルリンにて、メディアアートのキュレーションレーベルonpa)))))を設立。世界各国のアーティストやフェスティヴァルとの人脈を構築。ベルリンと東京のジェットセッターとして活動中。

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