• 2017.03.24
  • バーで会いましょう
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と言っても、一杯やる集まりのことではありません。「ピュア・バー」というスタジオでのトレーニングに使われている、バレエ用のバーのことを言っているのです。ピュア・バーとは、私が近所を散歩しているときに偶然見つけたトレーニングジムです。オランダや日本ではまったく見たことのないものだったので、どういうものか知りたくて中をちょっと覗いてみました。ピュア・バーはアメリカとカナダに375ヶ所以上の拠点がありますが、意外なことにここミシガン州、正確にはバーミンガムが発祥の地なのです。見学後にはもちろんトライしたくなって申し込みをしました。このユニークでポピュラーなトレーニングについて、私が体験したことをここでご紹介しましょう。

ピュア・バーではバレエのようにバーを使いますが、実際はバレエとはあまり関係ありません。1回のトレーニングは55分間で、軽い筋力トレーニングとストレッチを交互に行うことで、ダンサーのような長く引き締まった筋肉を作り上げます。でも勘違いしてはいけないのは、このトレーニングはとてもハードだということです!
これまでいつもスポーツをしてきた私でも、このクラスに参加するたびに悪戦苦闘しています。それに、続けていても一向に「楽」になんてなりません。

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その理由は、動きは少ないものの特定の筋肉を集中的に鍛えるようになっているためで、正しく行えるとすぐに働きかけている筋肉が震えだします。だからトレーニング中はずっとそれに耐え、刺激を我慢します。大変なことですがやる価値はあります。バー以外に使う道具は、ストレッチのときや負荷を追加するために使う弾性のある二重管、リフティング用のダンベル、両内腿に負荷をかける小さなゴムボール、そして床運動用マットといった数点のみです。ピュア・バーの重要アイテムとしてはほかに粘着ソックスがあります。このスタジオにはカーペットが敷いてあるので、粘着ソックスは難しい体勢をとるときに滑り止めとしてとても役立つのです。トレーニングの中にはつま先立ちや片足立ちで行うもの、またはその両方を同時に行うものもあるので、ふんばりがものをいうのです。個人的には重い道具や機械に頼らずに、主に自分の体だけを使ってトレーニングするやり方がとても気に入りました。また、レッスン毎に内容が変わるので、同じトレーニングを繰り返すことはありません。ちょっとおかしなポーズを取ることもありますが大抵参加者は女性ばかりなので、どんなふうに体を曲げたりしても、快適な環境のなかで自分自身とやっている事だけに集中することができます。館内には男性用トイレもありますが、あまり利用されていないようです。


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さて、効果のほどはどうでしょうか? ピュア・バーのスローガンは「引き上げて、引き締めて、燃焼させる」というもので、これがまさにここでやっていることなのです。トレーニングでは確実にお尻を引き上げて、腿や腹筋、腕の筋肉を引き締め、ぜい肉のない強い体づくりをします。私は4、5回目くらいから変化が感じられるようになり、10回目のトレーニングくらいから以前に比べてかなり体が強くなったような感じがしました。もう始めてから6ヶ月経ちますが(週3、4回のペース)、体重は全然減っていないものの自分の進歩にとても満足しています。むしろ体重は1キロくらい増えているかもしれませんが、全体的に体に張りが出て引き締まり、強健になったので、太った感じはありません。体重の増加分は筋肉がついたせいでしょうか。とにかく、ピュア・バーでは体重をかなり減らすことも可能なのですが、私の場合はそうなりませんでした。しかし、ヘルシーなダイエットと合わせてトレーニングを行えば、一層素晴らしい結果が得られることと思います。

ピュア・バーのレッスンに参加する理由としては、効果が得られることのほかに、ピュア・バーでは連帯感が重視されているということもあります。インストラクターはみな感じが良く、参加者を歓迎してくれ、ときどき特別クラスや課題、イベント(バーを使ったエクササイズの後、バーに飲みに行くなど)を企画し、みんなが仲良くなれる機会を設けてくれます。また、幅広い年齢層と体型の女性たちが一緒にトレーニングをするなかで、隣り合わせになった人に気軽に話しかけることができます(一緒に苦痛にうめいたりもします)。インストラクターはみなトレーニング中、「あなたならできる」とか「あなたは自分が思っているより強いのよ」とか「さあ一緒に最後の10回!」というふうに声をかけて励ましてくれます。でも、たとえ中断したり休憩したりしてもまったく問題ありません。みんなは楽しむためにここに来ていて、それぞれ自分のペースで一生懸命にトレーニングしているのですから。

唯一の欠点といえば費用面です。現在ではレッスン1回につき20ドル(2,250円)、1ヶ月間無制限パスは185ドル(20,850円)かかります。2週間または1ヶ月間のトライアルならそれより少し安めですが、その期間が過ぎれば料金は上がります。また、ソックスは約15ドル(ネットならもっと安いのもあります)ですし、ピュア・バーのオリジナルブランドのウェアや、ここアメリカで大人気のスポーツブランドであるルルレモンのウェアを揃えて恰好を決めたりすると、懐が寒くなってしまいます。でも、グループレッスンややりがいのあるトレーニングが好きなら結果はついてきますし、ここでの親密な人間関係のおかげで良い経験も得られます。ですので、もし将来日本のどこかでピュア・バーのトレーニングがオープンしたら、是非試してみてください(そして、最後の10絞りを頑張ってください!)。

特派員

  • マルタ・ ヒッキー
  • 職業教師、イラストレーター

マルタは生まれも育ちもアムステルダムですが、日本語と日本文化の研究の一環で2年半の日本在住経験があります。オランダ人と日本人の間の文化とコミュニケーションのつながりについて、特に強い関心を持っています。現在はミシガン州ノバイに拠点を移し、文化の違いをより広く探究しようとしています。

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