• 2016.03.15
  • ポートランドは読書天国
雨が多い土地として知られるポートランドでは、9月から6月までの約10か月間、ほとんど毎日のように雨が降ります。でも、ポートランドの街の緑を豊かに育み、かつ屋内で楽しめる娯楽やアクティビティをこの上なく充実させているのがこの不利な気候条件のいいところ。ポートランドの毛糸店の多さは米国でも有数で、男性のための編み物サークルも含め、編み物クラブの数は群を抜いています。ポートランドは屋内のゲームコーナーやゲームセンターが多いことでも有名ですが、地域住民にとって最大の娯楽は何といっても読書です。ポートランドは図書館が多く、書籍関連のビジネスが盛んですが、それもいたって自然なことというわけです。

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ポートランダーは読書好き


街で一番有名な書店のパウエルズ・シティ・オブ・ブックス(Powell’s City of Books)は、世界で最大の独立系ブックショップとしても知られています。パウエルズは市内のさまざまな場所に店舗を持っていますが、チェーンではなく、その規模の大きさによって独特な存在となっています。1971年に開店したダウンタウンの1号店には今や広大な3フロアと多くの部屋があり、各部屋は本のジャンル別にカラーコードで識別されています。各部屋にはコンピュータを備えたインフォメーションコーナーが設置されていて、欲しい本を自分で検索したり、経験豊かなスタッフにお勧めの本を教えてもらったりできるようになっています。
パウエルズ・シティ・オブ・ブックスはさらに、無料の地図やダウンロード無料のスマートフォン用アプリなど、150万冊もの在庫の中から希望の書籍を見つけるのに役立つサービスも充実しています。

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ダウンタウンにあるパウエルズ・シティ・オブ・ブックス


年中無休で営業していたり、未購入の本も持ち込んで試し読みできる大型のカフェが店内にあったり、本好きが喜ぶような雑貨やプレゼントなどを常に新鮮なセレクションで提案したりと、ポートランダーたちが「パウエルズ」と呼ぶこの書店の魅力は盛り沢山です。著者による朗読会やサイン会、本の交換パーティなど、様々な書籍イベントの主催にも力を入れています。本好きならば素通りできないのは、最上階にあるレア・ブック・ルーム(Rare Book Room)でしょう。膨大な数の古書や珍書が並ぶこの部屋は週末のみ、または予約客限定で開放されます。

パウエルズの他店舗では専門書と教科書を扱っています。市内のイーストサイドには、総合書店(本店のミニチュア版と言った感じ)とガーデニングおよび料理の専門書のみを扱う小さな支店の2軒のパウエルズがあります。

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パウエルズ・シティ・オブ・ブックスのフロアマップ


ポートランドにある独立系のブックショップはパウエルズだけではなく、コミック専門店も数多く存在します。その中で一番大きなフローティング・ワールド(Floating World Comics)は、漫画本やグラフィック・ノベルの無類のセレクションを誇り、アートショーの開催にも力を入れているショップで、ギーク層やコスプレイヤーなどマニアなクラスタには必見の場所です。視覚的な仕掛けが満載の店内で彼らのセレクトした商品を眺めれば、コミックファンならあっという間に1日が過ぎてしまうでしょう。

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独立系書店がひしめく街、ポートランド


ポートランドでは読書イコール大切な娯楽と認識されているので、カフェの多くは、午後のひととき、好きな飲み物をお伴にゆっくり本を読むためにやって来る本好き達を歓迎してくれます。大抵の書店では店内にコーヒーショップを併設しており、多くの場合(パウエルズ然り)、たとえ買わなくても店内の雑誌や書籍をカフェで読むことが可能です。

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街のあちこちで見かけるパウエルズの支店



特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 年齢申(さる)
  • 性別女性
  • 職業翻訳者、編集者、教師

米国とイタリアに住んでおり、両国に深いルーツを持っています。広く世界を旅する中、日本で4ヶ月を過ごし、桜とたこ焼きに恋をしました。現在、世界中の友人からレシピを集め、料理の本を編集しています。

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