• 2017.01.24
  • 新聞屋さん
サンパウロの街角でよく見かけるのが、バンカ・デ・ジョルナル(Banca de jornal)です。バンカはスタンド、キオスクと言う意味で、ジョルナルの訳は新聞です。20世紀の初めから存在する新聞屋さん、当時は新聞だけ販売されていたのですが、後に雑誌、マンガ誌、スティッカやそのアルバムを販売するようになったようです。現在では、ちょっとしたコンビニのように、たばこ、ジュース、アイスクリーム, 200gまでのスナック菓子、飴、文庫本、CD, DVD, 地図、雨傘、電池、テレフォンカードなどを販売してます。街の中心街にあるバンカは規模が大きく、きれいで品揃いが豊富で、日曜日も営業をしているところが多いです。24時間営業のスタンドもあります。しかし、中心街から離れるとバンカの数も減り、規模が小さい上、品物も多くは置いてません。サンパウロ市の大通りに面している大きなバンカでは、コピー機が設置してあったり、テレビが設置してあったりで、雑誌を買うついでに、テレビのニュースをちょっと見たり、サッカーの試合をちょっと立ち見したりできます。

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こちらでも新聞や雑誌の宅配がありますが、子供から大人まで、バンカに立ち寄る習慣が身についているので、いつも客が入ってます。雑誌は週刊誌、スポーツ誌、ファション雑誌、デコレーション、園芸、ペット、旅行やガイドブック、料理誌、手芸などと色んな分野があるので、ちょっとめくってみたい雑誌がすぐにみつかります。輸入雑誌も扱っているところがあります。

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バンカのオーナーやその従業員たちはとても親切で、雑誌の紹介をしてくれたり、世間話に付き合ってくれたり、また、迷ったときにも道順を教えてくれます。雨宿りさせてくれるのも助かります。バンカは歩道に立っているので、自動車を止めて窓を開け、車から一歩も出ないで新聞や雑誌、たばこなどを買う客もいます。クレジットカードで支払いができるバンカもできて、便利です。
80年代の頃のバンカは歩道に置かれた小さなコンテナみたいなものだったので、丸ごと盗まれた事件もありました。市長がすべてのバンカの外側を銀色に塗るように命じたこともありました。1990年代後半にはスーパーマーケット、カフェ、バーなどでも新聞や雑誌が販売されるようになり、競争率が増えて困ったバンカも増えたとのこと。そのため、2000年には市長が30gまでのスナック菓子、飴、CDの販売を許可し、2013年には200gまでのスナック菓子、ソフトドリンクなどの販売も許可する。
盗難事件のほかに、大通りでデモや反乱がおきると、その周辺のバンカが壊されたり、落書きをされたりと、苦労が絶えないバンカのオーナーもいるようです。
サンパウロ市で登録されている3500店ものバンカがありますが、なじみのバンカができたら、たばこを一箱ではなく、1本だけ買ったり、荷物をちょっと置かせてもらうことができるようになります。その場で現金がなくても、後払いができるようにもなりますよ。

特派員

  • 皆木サンドラ 奈美
  • 職業語学教師、ペーパートールクラフター

ブラジル生まれのブラジル育ち。大学卒業後、夫の仕事の関係で3年間滞在したシンガポールにおいて習得したペーパートール(=シャドーボックス)や語学を教えています。多国の文化や習慣を上手に混在させているサンパウロでの生活がとても気に入っています。

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