• 2017.05.30
  • サイクリング
エコな国ドイツでは、5月の新緑の季節になると心を弾ませて多くの人々がサイクリングにでかけます。小鳥のさえずりを聞きながら、草花の香り、自然の恵みを身体で感じるサイクリングはとても心が癒されます。普通の人で15〜20km、ベテランで40〜50km、スポーツ選手だと100〜150kmの距離を平気で走れるそうなので、とても活動的です。


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ドイツやオーストリアはとてもサイクリングする人にとって整備が整っており、至る所にRadweg(ラートベーク)という自転車専用道路があります。それでも、自転車は車の一種と見なされるため、交通ルールを知っておく必要があります。例えば、Radwegが無い場合、一般道路で右側を走っていて左折する場合は、1.走りながら後ろを振り返って車がいないか確認します。2.道路の中央に寄って来て左手を大きく出す必要があります。急に手を真横に出しながら自転車が中央に寄ってくるので、とても危険な瞬間です。ですから、自転車走行に自信を持てない人にはFahrradschule(自転車教習所)があり、細かい標識や交通ルールや自転車を安全に運転するためのノウハウを勉強することができます。



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10年ほど前までは歩道を自転車が通ることを禁じられておりました。最近では小さい子供が一般道路を走るのは危険だということで、8歳までの子供は歩道を走ることになりました。その場合だけ、保護者も一緒に歩道を同伴できるようになったので一安心ですが、万が一自転車が歩行者と接触した場合、いかなる理由でも自転車走行者の責任になるので厳重に運転しなくてはなりません。
飲酒運転は要注意で、血中アルコール濃度が1.6パーミル以上だと、一ヶ月の給料の罰金に加えて、 自転車走行でも車の運転免許から4ポイント(全体は8ポイント)も徴収されるので、かなり厳しい罰則が待っています。お酒を飲んだら自転車に乗らないことが賢明です。
また自転車で片手離し携帯電話通話も罰金25ユーロ。信号無視は罰金45〜120ユーロ、赤になってから1秒以上たった場合の信号無視は罰金100〜180ユーロにもなるので、交通ルールを知らなかったでは許されない道路事情があります。

それでも、お買い物、幼稚園へ通園、散歩、家族旅行に自転車はかかせないアイテムであり、小さい子供がいる家族ではFahrradanhänger(Fahrrad:自転車、anhänger:連結車)と呼ばれるワゴンを良くみかけます。このワゴンには小さい子供や犬を乗せることができ、ドイツ人が好むデザイン性、機能性に優れた、経済的かつ合理的な乗り物の一つと言えるでしょう。


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ドイツ国内公共交通機関では短距離のみならず、EU内の長距離旅行に自転車を有料で持ち込むことができるので、自転車を持参して旅行に行く人も少なくありません。また、最近では旅先で自転車をレンタルできるCall a Bikeという便利なサービスがあります。インターネットで会員登録(年会費3ユーロ)しておくと、色々な都市で30分1ユーロ、一日最大15ユーロで同時に2台までレンタルができるので、気軽に自転車での旅が満喫できそうです。

サイクリングは、一般道路では危険な事故に繋がる恐れがありますが、怪我をしないよう細心の注意を払いながら、自然との触れ合いを体感したいものです。まずは近くの公園やお城を探検して、吸い込まれそうな緑の中を爽快に走ってみようと思います。


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特派員

  • 理夢
  • 年齢寅( とら )
  • 性別女性
  • 職業いけばな活動家

ドイツ在住5年目。海外で「和の心」を忘れず、「いけばな」と「着物」を中心に日本文化活動を行う。日本の美を広めるべく、また次世代にも継承していけるよう精進して参ります。

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