• 2015.09.25
  • ヨーロッパの秘境から、こんにちは!
はじめまして、バルト三国のひとつであるリトアニアの首都ビリニュスからレポートさせて頂きます。

郊外では、先月まで、雑草を刈りとる刈払機や、芝刈機のエンジン音が鳴り響いていましたが、最近は、薪割りの音やチェーンソーの音に変わってきました。夏が終わり、いよいよ寒い冬に向けての準備が着々と進んでいます。というわけで、記念すべき第1回のリポートは、リトアニアの暖房事情についてです。

リトアニアの暖房設備は、次の3つに分けられます。
  • ①自治体が管理するセントラルヒーティング
  • ②各家庭で独立したセントラルヒーティング
  • ③薪ストーブ、暖炉
  • 補助的な暖房器具として電気ストーブは売っていますが、日本でお馴染みの石油ストーブは見たことがありません。

    ビリニュス市内の多くのマンションは①の自治体方式で、冬になり寒い日が続くと自治体が暖房をONにし、春になり暖かくなるとOFFにします。一旦暖房がONになると、冬の間、どんなに暖かい日が続こうがOFFになることはありません。比較的新しい物件ですと、各家庭で温度設定やOFFが出来るのですが、古い物件ですとそれが出来ません。

    暖かい日であろうが外出中であろうが、問答無用で暖房がついているので、暖房費が凄いことになってしまいます。各自治体によってその費用は違いますが、ビリニュスの平均的な部屋の広さ(70平米位)のマンションですと、1ヶ月で最高150ユーロほどにもなります。平均給与は650ユーロ位ですので、収入の約1/4が暖房費として消えていくわけです。メチャメチャ高いですよね。

    ②、③は、主に一戸建ての暖房方式で、薪やペレットを燃やして暖を取ります。森を所有していて、自分で薪を調達できるのであれば良いのですが、そうでない場合、購入することになります。

    1公共の掲示板には薪屋さんの広告をみかけます。

    スーパーの駐車場には薪を満載したトラックが停まっています。この薪はサンプルとして置かれているもので、トラックに書かれている番号に電話すると無料で配達してくれます。

    2

    薪の値段は、だいたい1キューブ(1m×1m)で30ユーロ位。ストーブの性能にもよりますが、ワンシーズンで10~15キューブは使用すると思います。最近は薪以外でもペレットやコークスを燃やせるストーブがあるので、これですと少し安くなります。

    我が家は、薪ストーブとガスボイラーによる温水セントラルを併用しています。(②と③です)温水セントラルとは、ガスボイラーで作られた温水を各部屋に分配し、ラジエータを用いて空気への熱変換、また放射熱への変換を行い、部屋を暖めるものです。各部屋には写真のようなラジエータがついています。

    3このラジエータの中を温水が通り、空気を暖めていきます。

    4ちなみに、ホームセンターに行くとたくさんの薪ストーブが売られています。

    写真中央の薪ストーブで200ユーロ位です。もっと安いのから、もっと高いのまでピンキリですが、やはり安いものだと燃焼効率があまり良くなかったりします。『暖房費はいくらかかるか?』というのが、冬のリトアニアでは大きなテーマ。どんな燃料が良い、とか、どこで燃料が安く手に入る、なんてことが酒の話題でもよく出ます。

    冬は寒いし、お金がかかるので大変なのですが、冬ならではの楽しみもあります。その事については次回以降記事にしていきたいと思いますのでご期待ください!

特派員

  • 山内 啓至
  • 職業レストラン経営

バルト三国の一つであるリトアニアにほれ込み、何も考えずに移住して3年目。リトアニア初の日本人オーナーシェフとしてレストラン(と言えばかっこいいですが、実際は定食屋)を経営しています。首都ヴィリニュス郊外で、妻・娘・犬と、のんびり生活しています。

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