• 2016.09.27
  • ミラネーゼの神秘的な(?)夏休み
イタリアの夏休みは長い!子供達には、3ヶ月の夏休みがあるのです!
6月10日頃に小、中学校が夏休みに入ると、バスやトラムまでが本数を減らすので公共交通機関を利用する出勤者を困惑させます。 イタリアも共働きの夫婦ばかりいますから、子供達がこんなに早く夏休みに入ってしまうと、実は困りものなのです。
そこで、ほとんどの家族は、教会が営む青少年のための野外活動に子供達を送りこみ、大人たちの夏休みが来るまでの期間をなんとか(!)しのぎます。やっと大人の夏休みが来ると、山の別荘と海の別荘で1ヶ月の夏休みを謳歌しますが、最近は別荘を持たない(もしくは持てない?!)家族も増えたのか、夏休みの過ごし方も変わってきましたし、1ヶ月間の夏休みを二分させて、長期間の休みを取らせない会社も増えているようです。
ミラノの8月は、その昔、ミラネーゼが人っ子一人居なくなり、映画館一つさえも開いていないようなゴーストタウンと化していましたが、最近は外国人の移住者が増えたことも影響しているのかスーパーでさえ聖なる日曜日に開いているので、つくづく有難いと思います。
それで8月のミラノをゴーストタウンにさせない家族のこの夏休みには、今年6月にリニューアルしたプールが大いに貢献したことでしょう。なぜならばイタリアにいて夏場に日焼けをしない家族なんてありえません、と言うよりも「見たくアリマセン」の方が本当でしょう。
そこで、山や海に別荘を持たなくてもミラノ市内に留まる家族がより良く(!)日焼け出来る場所は、プール!
四方を閑静な住宅に囲まれたこのプールは1930年代に作られてから、ここ10年ほど閉鎖していましたが、この度隣接する劇場と連携する形でこのプールは生まれ変わりました。劇場がプールを開いた、と言ったほうがふさわしく、オープニングにはまるで水の上に浮かんでいるような水上ステージでのコンサートが行われました。

水泳をしに来る人はもちろん、日焼けのため、都会の中の静けさの一区画を求める人、読書をしに来る人、空間を借りてパーティーやイベントを行う人など、劇場が敷地内にあることが起因したのでしょうか、本来のプールの概念を超えた新しいスタイルの空間です。
その名前は、「神秘的プール」というのもこのプールの誕生とこれからの過程、そしてこれからの発展を象徴しているように思います。

車を30分飛ばしたら町から出てしまうような小ささだけれど、常に新しい試みをチャレンジしているのが感じられる町、ミラノなのです。

イタリア人の3ヶ月の夏休みもじき終わりです。「神秘的プール」は屋外プールですから、あと数日でおしまいです。季節外はイベントなどで、また一味違う姿を見せてくれることでしょう。皆さんでしたら、季節外のプールをどんな風に活用されるでしょう?

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特派員

  • 三上 由里子
  • 職業音楽家

チェリスト。ミラノを本拠地に、ソロコンサートアンサンブルの編成で演奏活動の傍ら、演劇、画像、舞踊やライブ演奏を組み合わせたマルチスタイルの舞台プロデュース。

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