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ナレッジサロン会員「実はわたし…」レポート

テーマ:
実はわたし…海外と日本の学生の橋渡しをしたいと思っています

原 洋介 さま 宇部工業高等専門学校 AP特命准教授

子どもの頃、転校が多く、そのつど人との繋がり方を学び、友達がいないと生きていけないという事を痛切に感じました。大学ではじめて外国人の友達ができました。台湾からの留学生でした。留学生も転校生と同じ不安や孤独感があると思ったからか、私の方から話しかけ友達になりました。意気投合し、彼を通してたくさんの台湾人の友達ができ、もう25年のつきあいです。自分の思いがあれば、または必要とされた瞬間があれば言葉の壁を乗り越えて気持ちは届くものだと思います。それが、コミュニケーション能力と言えるのではないでしょうか。
38歳の時中古車輸出の会社を起ち上げ、英語が話せる人材を求めてフィリピンのセブ島に会社をつくりました。平行して日系のベンチャーとしてオンライン英会話と英語学校も設立しました。事業を推進する中でいろんな国の人と取引をしましたが、契約が成立するかどうか、最後は目を見て握手して『こいつなら信用できる』といった瞬間で、言葉ではありませんでした。

起業してから、みんなに「ありがとう」と言ってもらいたいという思いから、楽な仕事はしてこなかったと自負しています。人の役に立つのはしんどいけれど、感謝されると楽しい、そして感謝の気持ちが残ると信頼となって帰ってくるという信念で、感謝を回すような働き方をしたいと、人の為だけ考えて進んできました。一生の仕事となるものを見つけて、人のためにもなって、それが見つかれば、場所は日本でなくてよいと思っています。

セブ島で働いていたスタッフが宇部高専の卒業生だったという縁で、宇部工業高等専門学校のAP(大学教育再生加速プログラム)特命准教授に就任しました。
1年に100人の宇部高専生を1か月以上の長期留学へ送りだすというのが主な仕事で、今とてもやりがいを感じています。宇部高専を4学期制(クオーター)にして、海外留学をしやすくし、「トビタテ留学JAPAN」(文部省の留学奨学金制度)も利用して留学生を増やそうと思っています。

今、若い人は、日本が一番幸せと思っていて、ネットであらゆる情報に繋がっている事もあって、何でもあるから、海外へ出ていく必要がないと思っているように思います。けれど将来への不安は持っています。一方、ビジネスを取り巻く環境は、日本にたくさんの外国人投資家やオーナーが増えています。学生の将来を考えると、日本にこだわらず日本人を欲しい、雇いたいと思ってくれる人を世界で探すためにも、海外の人とも仲良くしないといけないんじゃないかと思います。
そんな時代に、海外の人と付き合うとはどんな事か、言葉が通じないという事はどんなに歯がゆい事なのかなどを、生徒に経験させたいと思っています。付き合わないと、文化の違いはわからないし、一方で同じ人間同士だから、根本はそんなに変わらないという事も実感して欲しいです。

英語を使って海外へコンタクトをとったり、外国人との具体的な折衝や依頼の経験・知識があったこと、海外で生活してきた経験のおかげで、今、この仕事ができていると思います。若い人も、海外と関わることでやりがいのある仕事を見つけてほしいです。
将来的には、日本の学生を海外へ、海外の学生を日本へといった相互に人の流れを作り、海外の企業に日本から人を送り込みたいと考えています。

サロン会員ご紹介

宇部工業高等専門学校 AP特命准教授
原 洋介 さま
http://www.ube-k.ac.jp/
インタビュー日:2016/5/11

※ 上記内容はインタビュー日時点での情報となります。
※ 予告なく変更・削除される場合がございます。予めご了承ください。

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