• 2016.09.13
  • バラの街、ポートランド
以前の投稿でも書いたように、ポートランドは数多くの呼び名やニックネームを持つ街ですが、その中でも最もよく耳にするのはおそらく「バラの街」でしょう。このニックネームが付いたのには理由があります。ポートランドには北米で最大のバラ園があり、またこの国においてロサンゼルスのパサデナ・ローズフェスティバルについで2番目の規模を誇るバラ祭りが開催されるからです。

国際バラ試験庭園はワシントン公園内にある街で一番大きな庭園で、都市部にある公園としては全米で最大規模のものです。この庭園では色合いや品種の異なる500種以上のバラが5000株以上も植えられています。バラ試験庭園という名が付いたのは、バラの専門家たちがこの場所で新しく開発した品種の香りや色合い、品質をテストしているからです。

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ポートランドの国際バラ試験庭園

毎年、このバラの街ではポートランド・ローズ・フェスティバルが開催されています。5月に開かれるポートランド・ロックンロール・マラソンと時を同じくして始まり、6月中旬のローズカップ・レースで最大の盛り上がりを迎えて幕を閉じます。この1カ月間におよぶフェスティバルはこの街最大のお祭りで、パレードやスポーツ競技会、募金活動など50種類以上の大きなイベントも一緒に行われます。

ローズ・フェスティバルではたいてい、5月末の戦没者追悼記念日の金曜日に、壮観な花火大会が行われます。個人的に花火を見るのに一番だと思うスポットは、ウォーターフロント・リバー公園の観覧車からです。この催しでは大規模なカントリーフェアも行われ、さまざまな遊園地の乗り物、食べ物やビールの屋台、そしてライブ音楽のステージを楽しむことができます。

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川岸で花火の打ち上げを待っている様子

フェスティバルの期間中、最大の目玉はやはりグランド・ローズ・パレードです。このパレードはメモリアル・コロシアム(コロシアムでは観覧席を予約して見ることができます)からスタートして、ウィラメット川を渡りダウンタウンを通り抜けていきます。毎年、多様なテーマでアレンジされたフローラル・フロートが20から30台ほど参加し、地元のマーチングバンドやビンテージ車、チアリーダー、著名人、アクロバット・ダンサーたちをともなって、街中をパレードします。どのフロートも、種やドライフルーツ、ココナッツフレーク、お米、花やバラといった自然の素材を使って、器用なボランティアたちによってすべて手作業で飾り付けられています。種や花びら、穀物が丁寧に取り付けられていて、フロートの外観はそれぞれ個性的です。

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ローズパレードのフローラル・フロート

2つめのパレードは昼間のパレードと同日の夜に行われます。このパレードはイルミネーションが施されたフロートが呼び物で、スターライト・パレードと呼ばれています。2つのパレードが終わると、これらのフロートはダウンタウンにある市役所のわきに展示され、飾りに使われている自然の素材がもつかぎり、鑑賞したり写真を撮ったりして楽しむことができます。


特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 年齢申(さる)
  • 性別女性
  • 職業翻訳者、編集者、教師

米国とイタリアに住んでおり、両国に深いルーツを持っています。広く世界を旅する中、日本で4ヶ月を過ごし、桜とたこ焼きに恋をしました。現在、世界中の友人からレシピを集め、料理の本を編集しています。

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