• 2015.09.25
  • アムステルダムの9月の風景
9月になりアムステルダムも新学期が始まりました。夏の間に旅行に行っていた人々の肌は小麦色に日焼けしています。ゆったりと過ごし元気を回復した人や、バタバタとした朝にまだ慣れていないお母さんもいます。オランダの気候は、夏以外は寒い日や雨の日がとても多いので、心地よく過ごせる気温の夏はオランダ人にとって、とても大切な時間です。 そのため、気候のいい時期をできるだけしっかりと楽しもうとする習慣があります。暖かくなり始める頃から、「実は寒いけど、まだ認めたくない」というぐらい寒い日まで、コートなしで外出したり、カフェのテラスの日当たりの良いところでお茶をしたり(日陰は寒すぎますから)、運河でボートに乗ったり、思い思いの方法でリラックスした時間を過ごします。

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学生の間では「今日は天気が良すぎて、勉強できなかった」なんて言い訳を言うことがよくあるのですが、非難されるどころか、みんなに共感されます。また、先生までも「こんなにいい天気の日に建物の中にいるのはもったいない。今日の授業は外でする」なんてことが、小学校や中学校の頃には、一年に一度は必ずありました。もちろん、子供にとっては最高に嬉しい出来事ですね。まだまだ天気がよい日も多い9月のアムステルダムは、ハッピーで平穏な雰囲気に包まれています。

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「オランダに行きたい」と言う人には、夏が一番過ごしやすくて楽しい季節だと、いつもお勧めしています。天気が良いという理由もありますが、私は夏のオランダが一番綺麗だと思うからです。18世紀から19世紀の建物や運河、可愛らしい小道など、特にアムステルダムの古い街並みはとても美しいです。夏は特に町の中の緑も多く、広い青空が運河の水に映る様子には心癒されます。

空が広く見えるのもオランダの景色の特徴と言えます。これには理由が二つあります。まず、オランダには山がありません。坂道もないので、どこに行っても平地ですし、同じ平地でも京都のような山に囲まれた景色も全くありません。日常的に自転車に頼ることが多いので大変便利です。この様に、平地であることは、意識せずともオランダ人の生活に強く影響しています。自転車に乗ることはオランダ人の私にとって当たり前のことですので、以前神戸に住んでいた時に自転車であっちこっちに行こうと思いましたが、それは諦めるしかないということがすぐにわかりました。


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オランダの中でも、特にアムステルダムでは超高層ビルを建設できません。地盤の一番上の層が泥炭地で、重いものを建てると、沈下してしまうからです。建物を建てるにはまず、しっかりした下部構造を造る必要があるので、泥炭地の下の砂地まで20メートルのポールを土地に杭打します。ダム広場にある宮殿の下にはポールが13,659本も打ちこまれているそうです。それでも、古い建物によっては、時間の経過とともに沈んでしまうこともあり、斜めに傾いた家を見かけることもしばしばです。
この様に、アムステルダムは地上も地下も、日本とはだいぶ違った景色なのではないでしょうか。

特派員

  • マルタ・ ヒッキー
  • 職業教師、イラストレーター

アムステルダムで生まれ育ち、研究のため日本に2年半住んだことがあります。オランダ―日本間の文化的なつながりやコミュニケーションにとても興味があります。その他、自転車に乗ることや、教師やイラストレーターとしての仕事、友達と新しいカフェに行ったりすることを楽しんでいます。2014年にライデン大学を卒業し(アジア/日本研究修士)、現在は日本人向けのオランダ語学習教材を作っています。この学習教材では両国間の文化的な違いも紹介しています。

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