01点をつなげた、新たなプラットフォームづくり
- ――どういう取り組みですか?
- 流通の規格に見合わないために出荷されず廃棄せざるを得ない農産物を農家から買い取り、粉末にしたり油分を抽出したりなど加工して、食品原料や化粧品原料、飼料や肥料などとして販売します。エリアごとに複数の農家を束ねて集荷することで供給量のバラつきを平準化し、一定量加工する間の鮮度を保持する技術を取得することで、メーカーに安定した原料供給をすることができるようになります。また、閑散期に稼働していない加工工場を利用することで、工場の稼働率を上げることにもつながります。
- ――企画が生まれたきっかけを教えてください。
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もともと食品メーカーで商品開発の仕事をしていて、その後も自治体の産業振興に携わる機会が多く、生産者や加工会社とのご縁がありました。そういったなかで、8年ほど前、農家と原料メーカーなどをつなぐ、販路開拓のサポートしていたときのことです。少しキズがついたとか、ツヤがないなどの理由で、まだ食べられるのに捨てられる農産物が2割近くもあることを知ったんです。そういった規格外品を、「訳アリ品」「B級品」として販売する方法もありますが、良品の価値が下がってしまう課題もありました。しかし、規格外品を捨てるのではなく、加工して販売すれば、農家にとって収益となりますし、ブランド価値を下げることもありません。
例えば、パプリカ。スーパーにはピカピカでつやつやのものばかりが並んでいますが、少しキズがついたり、ヘタが折れていたりするだけで廃棄の対象に。問題なく食べられるのに捨てられています。大規模農家だと、その廃棄量もすごく多い。粉などに加工すればドレッシングの材料になったり、野菜の機能性成分を利用してドリンクにしてみたり。様々なものに活用できます。
これまで関わってきた生産者や工場、メーカー、それぞれの抱える課題を結び付けると新たな価値が生み出せると気づいたんです。