01ビーコンの技術を使いたくて、試行錯誤
- ――この企画が生まれたきっかけを教えてください
-
伊藤さん(神戸電子専門学校学生)
5月後半からはじまった授業はすべてオンラインベースで、クラスメイトとの距離を感じるなか、組込みシステム産業振興機構主催「WINK2020」の募集を知りました。ミーティングに参加したのが会田君と私の二人だったのですが、アイデアを話し合ったところ、発想に似ている部分があったので、共同開発することにしました。
まず、人を助ける技術を開発したいという想いがあり、そのためにビーコンの技術を使おうと考えました。ビーコンは面白い技術なのですが、日本で普及しづらい要因として、位置情報が間接的にわかってしまうなどプライバシーの問題もあるのではないかと考えています。
そこからは試行錯誤でした。当初は技術ベースで考えており、例えばアミューズメント施設でお店を通り過ぎたときに、空いているアトラクションの情報を受信できるシステムや、花畑など荒らされては困る観光施設の入り口に設置して、入ってよい場所はどこかを知らせてはどうかなどと考えました。
キミクルのアイデアが生まれたのは、助けを必要とする方がつける「ヘルプマーク」の認知度が低く、現実的に機能しづらいと気づいたからです。ヘルプマークをお持ちの方にキミクルのアイデアを話したところ、「とても欲しい」と言っていただけました。
- ――どのように開発を進めたのでしょう
-
会田さん(神戸電子専門学校学生)
具体的には2020年7月の終わり頃に、ビーコンを使って人助けする技術を開発しようと決めました。そこからはオンラインで思いついたことを言い合い、良いアイデアが出たらインターネットで調べながら深掘りし、形にしていきました。様々な思いつきのなかで、新しくて良いアイデアがキミクルでした。ようやく形になったのはエントリーの2日前です。
1次審査のときはまだ粗削りで、具体的なことは決まっていませんでしたが、慶應義塾大学のシステムデザインマネジメント研究科に提供いただいたオンライン研修を通じてブラッシュアップし、アイデアがまとまってきました。