第11回 ナレッジイノベーションアワード 中学生・高校生アイデアコンテスト 好きを追求したら…
新しい仕事をしている多方面の
トップランナーからのメッセージです。
これらのメッセージには、未来の仕事を考えるための
ヒントがたくさんつまっています。
あなたの想像力を発揮して、
20年後の仕事を描いてみましょう。
丹原 健翔 さん 現代美術家・キュレーター 美術館や芸術祭の中の展覧会を作ることを中心に、アートを通して新しい気づきをもたらす活動をしています。
僕は子供の頃から、面白いことしかできないという弱点がありました。納得いかないこと、面白くないことにはどうしてもモチベーションが保てず、転々と仕事やコミュニティを乗り換えては、多くの人に迷惑をかけたり悩んだりしてきました。それでも面白いと感じることを一つずつやり続けていたら、気づくと美術の世界にどっぷりはまっていて、つい最近になって自分の「好き」は美術なのだと言えるようになりました。小さいころから夢があるならともかく、「好き」がまだ見つかっていない人はどう好きを追求すればいいんだ、と思うかもしれません。しかし好きを追求するというのは、好きじゃないを知ることでもあると思います。いろんなことに好奇心を持って向き合って、違ったらまた他のことに挑戦する。それの繰り返しの中でいつか、自分が想像もしなかった好きがそこにあったことに、必ず気づきます。すぐに見つかる人もいれば、おじいさん・おばあさんになってから見つかる人もいますが、誰しもが心から好きと思えるものに出会う力があります。
内藤 慎人 さん Super Massive Global 代表取締役CEO 「Massive Ways of Living」をビジョンに掲げ、Web制作会社や、ハリウッドのエンタメ事業に携わった後、現在の会社を創業。
私は今、移動しながら陣取りゲームをして、貯めたコインで現実の店で買い物をしたり、アプリ内の土地を所有したりできるようになる、“Move & Play to Earn”といわれるジャンルのスマホアプリを開発しています。この仕事のおかげで、国内はもちろんグローバルに仕事をしているのですが、振り返ってみると、好きを追求した結果ここに立てているという実感があります。元々バスケットボールと洋楽が好きで、本場アメリカでプレーして洋楽を歌いたいという思いで、高校卒業後にカタコトの英語でアメリカに行きました。英語が話せるようになると、世界中の人と関わりながら仕事をしたいと思うようになり、22歳の時に起業して20カ国以上に行き、現在に至ります。人生はいつもうまくいくわけではなく、厳しく苦しいこともありますが、「好きこそ物の上手なれ」という言葉があるように、好きなものがきっかけで人生はどのようにでも拓けていきます。ぜひ皆さんの好きを追求し、実りある人生にしてください。
奈良 祐希 さん 陶芸家・建築家 陶芸家として『土』と格闘しながら、建築家として『線』と格闘する毎日です。
石川県金沢市で家業が江戸時代から続く「大樋焼」という陶芸の家に生まれました。生まれた時から自分の人生が決められているみたいでとても嫌でした。高校生の3年間、偶然にも通学路でとても面白い美術館の建設過程を見ることができました。何もなかったところに建物が出来て、都市が変わり、社会が変わり、人が変わる。建築がもたらす壮大な「夢」にはじめて心が踊らされて、それからというもの夢中になって勉強を始めました。大学院まで建築の勉強をしたのですが、自分が社会に出てどのような建築を創ればいいのかわからなくなり留年をしてしまいました。久しぶりに実家に戻って祖父や父が命懸けで作陶する姿を見て、今まで敬遠してきた陶芸に初めて興味を抱き、休学して陶芸の専門学校に通うことにしました。自分でもびっくりするぐらい『土』と戯れる時間が楽しくて楽しくて…もしかしたら『好き』なことはまだ気付いていないだけでとても身近にあるのかもしれませんね。
ナンシー(西岡 奈美) さん 金融教育実務家 パートナーのキャサリンと主に子ども向けに「お金の話をかんたんに!おもしろく。投資をもっと身近に」する授業・講座をさまざまな場所で行っています。
私は専業主婦時代に、子育てだけの世界から一歩抜け出したい!との想いから、子ども向けにお金について教える講師の養成講座に参加しました。小さい頃から人に教えることが好きで、夢はずっと学校の先生だった私にはドキドキわくわくの体験でした。そこで出会ったのが、同じく子育ての環境から飛び出したい!と、株式のしくみが大好きで、世の中にそのしくみを正しく伝えたかったキャサリンでした。今から思えば2人それぞれが、「自分の好き」を大事に行動した結果、運命的な出会いに繋がっていたのです。環境が似ていた2人はすぐに仲良くなり、時間を忘れるほど話し合い、お互いの夢を叶えるために頑張った結果が今の仕事のかたちです。好きなことを見つけるのは簡単なようで実は難しいことですが、「時間を忘れられるくらい没頭できること」を探してみて、それを続けて、発信して、仲間を見つけていくと、きっとそこには新しい世界が広がっていると思います。
藤井 一至 さん 森林研究・整備機構 森林総合研究所 主任研究員 世界中の土を掘り、持続的な食糧生産や環境問題への対策を考えている。
勝敗や他人の評価にこだわりすぎると、私はいつまでも幸せにはなれない気がしています。まずは忙しくてもやりたいこと、続けられることを探しましょう。私はジブリのアニメが好きで、ナウシカやシータの言葉に土が大事なんだと触発され、石ころが好きだった子どもの頃の興味を活かせるのではないかと甘く考えて土の研究に足を突っ込みました。実際のところ、土は地球最後のナゾとすらいわれている沼、泥沼です。山に登って土を掘り、何事もなかったかのように穴を埋め、サンプルを担いで山を下りる毎日です。白衣よりも作業着が多く、勝敗や他人の評価よりも蚊に刺される数と腰痛が気になっています。食糧問題や環境問題を解決するなんて簡単なことではないですが、やっつけるための作戦を立てている間は敵が大きいほどワクワクします。研究は大半が失敗です。だからこそ、結果だけより、そこにたどりつくまでの景色(失敗や悩み)も楽しむように心がけています。
吉田田 タカシ さん アトリエe.f.t.代表、まほうのだがしやチロル堂代表、DOBERMANボーカル、トーキョーコーヒー代表 大学生の頃にアートスクールとバンドを始めて、25年経った今もやってるよ。魔法の駄菓子屋さんや、たのしい革命トーキョーコーヒーなども。
小学生の頃から僕はヘンなヤツだったので、みんなと同じようにしないといけないような圧力に面白くないなぁと思ってた。毎回テストで試されることや、数値化されることも僕のプライドを傷つけた。高校生になっても学校に腹立つなぁーーーと思うことがいっぱいあったけど、ヘンなヤツの僕は、不良になるのもイヤだし、生徒会長になるのもイヤだったから「これはヘンなやり方で、楽しくするしかない!」と腹を括った。学校祭の時に校舎の壁面に10m×15m程のでっかい絵を飾りたいと申し出て、仲間と体育館でコソコソ描きあげた“ムチを持つSM嬢”の絵は全校生徒の大爆笑と先生の困惑を生んだ(笑)。それは苦しみをズラす楽しいやり方を発見した瞬間だった。それから、大人になった今もずっとそんなことをやってるよ(笑)。学校に行かない子どもから大人が学ぶ「トーキョーコーヒー(登校拒否)」や、誰一人情けない思いをせずにご飯が食べられる「まほうのだがしやチロル堂」などなど。その違和感を手放すな!
主催 : 一般社団法人ナレッジキャピタル
後援 : 文部科学省/大阪府/大阪市/大阪府教育委員会/京都府教育委員会/奈良県教育委員会/三重県教育委員会/和歌山県教育委員会/兵庫県教育委員会/滋賀県教育委員会/大阪市教育委員会/京都市教育委員会/茨木市教育委員会/大阪私立中学校高等学校連合会/奈良県私立中学高等学校連合会/兵庫県私立中学高等学校連合会/京都府私立中学高等学校連合会/三重県私学協会/滋賀県私立中学高等学校連合会/和歌山県私立中学高等学校協会/一般財団法人大阪教育文化振興財団/大阪デジタルコンテンツビジネス創出協議会
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ナレッジイノベーションアワード事務局
〒530-0011 大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪
ナレッジキャピタル8階 K840
株式会社スーパーフェスティバル内
TEL 06-6131-6881(平日10:00〜18:00)
MAIL kia@kc-i.jp
ヴェロニク・べランド さん メディアアーティスト / ライター フランス在住のアーティスト。カナダ、アメリカ、日本、ヨーロッパ全土で展示されています。
子どもの頃から好奇心旺盛で、読書と絵を描くことが大好きでした。10代の頃は文学を学んだこともありましたが、初めて行ったヨーロッパで、大きな転機を迎えました。美術史の授業で勉強していた名作を実際に見て衝撃を受けた私は、周囲から反対されながらも、自分の直感に耳を傾け、文学の勉強をやめて美術大学の入学試験に挑戦しました。この決断が、アーティストとして国際的に認められる現在のキャリアに繋がったのです。皆さんの目の前には、たくさんの可能性が広がっています。好奇心を持って、自分の心の声に耳を傾けてください。「得意なことは?」「幸せって?」「それは社会に役立つ?」奥底にある直感からは、アイデアがあふれ出てくるはずです。やりたいことに自信を持ち、色々な人に伝えてください。厳しいアドバイスにも耳を傾けて、落ち込んでも諦めないで。成功も失敗も、すべて自分を大きく成長させてくれる大切な経験です。その経験を通して、仕事の真の意味を見つけることができるでしょう。