有名な湾岸、都心エリアはもちろん、知る人ぞ知る穴場的名所まで揃っているシドニーの魅力たるや、大したものです。大都市にはお約束のように存在する、けったいな高層ビル群に囲まれたうらぶれた郊外の眺めが目に飛び込んでくることもなく、シドニーの近郊と言えば手入れの行き届いた家屋や庭、緑ゆたかな美しい公園、ため息が出るほど美しい風景に恵まれた、素敵な宝物のような町ばかり。
そんなシドニーでも、最終的にいくつかのエリアが私の最大のお気に入りになりました。
というわけで、私が選んだシドニーの5か所の最も美しい地区をご紹介していきましょう。
グリーブ
古着やヴィンテージ雑貨のマーケットがあり、お洒落な雰囲気が漂うグリーブは、ぜひ行ってみてほしい地区です。
都心からすぐ近く(徒歩10分)、2つの大学のキャンパスの間にあり、シドニーの文学地区と呼ばれています。
家屋の多くは中庭(裏庭)と大きな窓、階段式の玄関を特徴とするコロニアル調(ヴィクトリア様式の流れを汲みつつ、さらに美しい)の建物です。
目抜き通り沿いに立ち並ぶさまざまなカフェには界隈の住人がしょっちゅう出入りしていて、どこも馴染みの店の居心地良さを味わえる空間です。素敵な雰囲気とおいしいコーヒーを提供してくれるとても特別なコーヒーショップが、古書店の裏手なんかでひっそり営業していたりします。
グリーブ・マーケットが開催される土曜日は、シドニー中から人が訪れます。レコード盤や宝石、絵画、古着などが一緒に売られ、最高の屋台系フードまで楽しめるところです。
バルメイン
シドニー市内の見事な眺めが楽しめるから大好きになってしまったバルメイン。市内中心部西側の小高い丘の上という、海抜から少し高い場所にあります。この界隈のどこにいても、家と家の間から不意に視界に飛び込んでくるシドニー湾の素晴らしい絶景に感動しっぱなしというわけ。
イタリア系移民が強い勢力を持つことでも知られる地域で、上質なコーヒーショップやレストランがこの界隈に多いのも彼らのおかげ。目抜き通りのダーリング・ストリートを歩けば、わざわざ立ち寄ってコーヒーを飲む価値がある店がいくらでも見つかりますよ。
バルメインは、ニューイヤーズイブやオーストラリア・デーなどに湾の上空に舞う花火の鑑賞にも打ってつけのスポットです。タオル持参のうえ芝生に寝転びながら、思い出に残るショー見物を堪能してください。
サリー・ヒルズ
かつてはシドニーの服飾工場の本拠地であった活気あふれるこのエリアは、工業用倉庫街からお洒落な展示スペースと山の手のアパートメントが集まるスポットに変身を遂げました。シドニー中心部の南の端というロケーションにあるサリー・ヒルズでは、ハカランダの並木道、高級ブティックや改修されたタウンハウス群と、カラフルで刺激的なバーが軒を連ねるエリアとの対比も見ものです。
サリー・ヒルズ随一の買い物天国と言えば、満場一致でクラウン・ストリートの名が挙がるでしょう。でも、このエリアの特徴を何よりも雄弁に物語るのは、常に変化し続けてきたフードシーンです。
シドニー屈指の名店と言われるバーが数軒あるのも、サリー・ヒルズの自慢のひとつ。ブランチのお供に何か一杯なんていう時は、この通りにある老舗の人気店のいずれかを選べば間違いありません。
クージー
有名なボンダイ・ビーチほどの人出はないものの美しさが保たれているクージーには、私のお気に入りのビーチがあります。ビーチの左手にある丘の上は、海を見下ろす崖まで続く公園になっています。ここはクージーからボンダイを結ぶ、かの有名なコースタル・ウォークの出発点でもあります。
クージーは、日曜日の午後に友達と会って公園でピクニックしたり、潮溜まり(海水が溜まってできた贅沢な岩場のプール)で泳いだり、夕日を眺めながら夜までの時間を過ごすのにぴったりです。
マリックビル
文化多様性を誇るマリックビルは、シドニーのインナー・ウエストエリアに位置し、目抜き通りにあふれる活気と職人気質のモノづくり、リノベーションした倉庫、ブランチメニューが自慢のレストランなどが混然一体となった地区です。
ビール好きなら、シドニー市内の南西部、移動時間20分のマリックビルに行くべし。クラフトビールの醸造所で1日過ごせますよ。
週末にアディソン・ロード・コミュニティ・センターで開催されるマリックビル・マーケットでは、地元の生産者が販売するオーガニック製品、ヴィンテージものや屋台のスナックなどを売る露店が並びます。
フォトギャラリー
サリー・ヒルズ
マリックビル・マーケット