街の中には、なんと200近くもの美術館や博物館があります。
ビジネス街のちょうど真ん中、古い旧海運ビル内にあるMCA(オーストラリア現代美術館)は、シドニーで最も重要な美術館のひとつです。これは、ジョン・パワーの遺産をもとに創設されたもの。パワー氏は、もっぱらオーストラリアの人々が世界の現代美術を知って学べるようにと、自身が収集した美術コレクションをシドニー大学に売却した人物です。
MCAが展示と収集、解釈の対象とするのは近代と現代のアートで、前衛美術アーティストの作品を7,000点以上も所蔵しています。彫刻、絵画、エングレービング、フィルム、リトグラフ、期間展示など、現代美術のあらゆる様式が揃っている美術館です。
また、展示の中には伝統様式からモダンまで幅広い現代アボリジナルアートの一大コレクションも。それらの作者は、オーストラリア全域の若い地元のアーティストやアボリジニのコミュニティ在住のアーティストたちです。
しかし私が大好きなのは、何といってもオーストラリア博物館。
現代はもちろん先史時代までカバーした、驚異的な動物相ワールドを堪能できるのですから、動物とくに恐竜好きにはたまらないはず! オーストラリアと太平洋領域に固有の植物や動物、鉱物、化石、独自の文化まで網羅していて、シドニーで最も完成度の高いミュージアムのひとつなんです。
太平洋諸島とオーストラリアに加えてアジア、アフリカ、アメリカについての情報を、アボリジニの子供たちが持っていた玩具や頭部のタトゥーといったアボリジナル文化の要素と共に知る学びの場として、オーストラリア博物館は最高の場所です。ここは子供連れのファミリーが見学するのにもってこいの場所で、ウィークデーの校外学習の見学先としても非常に人気があります。
ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館はオーストラリアで最も大きく、来館者数も最多のミュージアム。シドニーの都心から徒歩5分、ロイヤル植物園とドメインの中にあります。最大で30もの例年展示に加え、アボリジナルおよびアジアの美術、写真、ヨーロッパ美術、オーストラリア内外のアーティストによる現代美術からなる常設展も見られます。また、若年層を対象に行われる美術コンテストなど、カルチャーミーティングや数多くのイベントも開催しています。
旧発電所内にある博物館ということでパワーハウス・ミュージアムとの異名を持つMAAT(Museum of Applied Arts and Technology)は、数千点もの展示物、いくつかの常設展コーナー、多数のインタラクティブ展示で構成されています。科学、テクノロジー、創造性、装飾芸術までカバーする常設展には、インタラクティブ展示や実験、さらには1800年代の蒸気機関車や18世紀の蒸気エンジンを含む様々な乗り物の見学ができます。
おっと、大事なことを忘れるところでした。シドニー博物館についても触れないわけにはいきません。
ここは歴史的に重要な博物館で、かつて初代提督邸であった建物の中にあります。1788年にアーサー・フィリップ提督が建てたこのビルは、初代から9代目までのニュー・サウス・ウェールズ州知事たちの邸宅でした。
MOS(シドニー博物館)の面白さは、前衛芸術のインスタレーションと時々変化する展示を合わせて楽しめるところ。建物の高さをすべて覆うほどの巨大スクリーンには、数十年間に及ぶこの街の発展が映し出されます。オーストラリアに初上陸を果たした英国人の一団と先住民族が最初に出会った場所の跡地とされる場所に建つこの博物館では、植民地化に関する大がかりな展示も行われています。
フォトギャラリー
オーストラリア現代美術館
MAAT
オーストラリア博物館
ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館