私でも分かるのは、イタリア人はこちらのようにダブダブな服や(特に職場では)カジュアルな服を着ないことと、イタリア人女性の方がブランド名や流行に敏感だということぐらいです。
というわけでこの記事を書くにあたり、同じくイタリア人のガールフレンドのサラに「インタビュー」を決行しました。私からの質問と、それに対する彼女の答えをこれからご紹介していきます。
「オーストラリア人好みの服の感じを言い表してみて。オーストラリアっ子はファッションに敏感?イタリア人との違いは?」
「シドニーに来たその日からすぐに、服のスタイル感覚が違うってことが分かったわ。何といっても最初に驚いたのは、男性が色つきの靴下を履いていたこと。10代の男子とか子どもとかじゃなく大人の男性がユニークな色の『ソックス』を、それもクラシックなアンクル丈のパンツの下に履いていたの!
高級なメンズスーツを着るにしても、色に関してはとことん派手みたい。ミントグリーンのシャツにオレンジのネクタイを合わせてみたり、赤と青のストライプのポロシャツにカーキ色の短パンだったり…普通のイタリア人が、職場とか然るべき場所で身に着けるべきと思っているスタンダードなグレーとか、ブラックやブラウン、ブルーなんかじゃなく、とにかく斬新でカジュアルな服装をしているぞって証明するみたいに、オーストラリア人にはまさに色とりどりの選択肢があるの。」
「シドニーの女性のファッション感覚はどう?」
「女性ものに限って言うと、シドニーではスカートもズボンもハイウエストがトレンドなのね。スカートでもデニムでも、ワンピースやショートパンツでも、とにかくあらゆるものが超ハイウエストで、イタリア人が見慣れたウエスト位置から数センチ高めに着ている感じ。ローウエストのスタイルは確かに時代遅れだけど、イタリアではハイウエストもあんまり人気がないことは、デニムファッションの販売員で専門家の私が断言してもいい。
シドニーの女の子って、ハイライフ(=上流の生活)大好きな人が多いんだけど、それに夢中なあまり、ハイライフが実現できる経済力がない人たちの悲惨な末路は頭にないみたい。オーストラリア人の大半は長身で細くてすらっとした体形だけど、みんながみんなそうってわけじゃないし、あの大胆なハイウエストが誰にでも似合うものじゃないってことに気づいてほしい!」
「靴についてはどう?」
「街中には何も履かないで外を歩いている人がたくさんいるわね。都心に限らないかもしれないけど、ビーチサンダルだろうがソックスだろうがスティレットヒールだろうが、オーストラリア人って締め付けるものを一切なくして、急に裸足で歩き出したくなるのよね。素足になって手に靴を下げて、足の裏が汚れようが次の日に痛くなろうが、もっとひどいことになろうがお構いナシなの。何でそんな妙な習慣があるのか、オーストラリア人に聞こうとしたことは一度もないけどね。母なる大地と交わるためとか、自由を求めてのことかもしれないし、単純に足が急に温まっちゃうのかもしれないしね。
ビーチの近くに住んでいること、いつも快適な気温に恵まれていること、道路がきれいに整備されていること、女性だとヒールが高過ぎる靴を履いている場合があること…そのあたりも共通の理由としてはあるのかなって思う。」
「それ以外のアクセサリーは?」
「シドニーの人々、というかオーストラリアに住む人全般の特徴として、こんな気候条件だから、帽子とサングラスの形もサイズも豊富で利用率が高いというのはあるわ。高い気温と日差しの強さで、夏冬問わず帽子とサングラスの着用はほとんど義務のようなもの。クラシックなスポーツキャップ以外に、日差しから顔と頭を守ってくれる、優雅なつば広のハットやインディ・ジョーンズ風の帽子もよく見かけるわ。帽子と一緒に身に着けるちょっと変わったカラフルなサングラスは、男性向けと同じくトレンドのアイテムとしてオーストラリアの女性のバッグには必ず入っている感じね。」
「平均的なオーストラリア人の若者の服装ってどういうイメージ?」
「サングラス、水着、スポーツTシャツ、脇にはサーフボード。それは実態とは違うイメージだっていうことは否定できないけどね。典型的なオーストラリア人は、人が羨むような日焼け肌(小麦色よりも赤っぽい肌になる人が多い)を見せつけて、リュックの中にいつもタオルを入れていて、サーフィンをして海辺にいるのが大好きな人たち。シドニーも含めて大抵の場所なら暖かくて天気もいいオーストラリアに住んでいる人たちは、仕事終わりにビーチに行って太陽の光を浴びたり、日焼け止めをたっぷり塗って冷たい海水に体を浸したり、愛用のサーフボードで砕け散る波に乗ったりするのが大好き、みたいな感じね。
他にも若い子たちの「スタイル」で面白いのは、学校制服の着用が義務づけられていること。シャツにジャケット、ネクタイ、短いズボン姿で膝までのハイソックスを履いた子どもたちをよく見かけるでしょう。女の子は可愛らしいプリーツスカートにパフスリーブのシャツ、それに合うキュートな帽子というスタイル。この習慣はオーストラリアに定着していて、あらゆる社会的差別を避けるためだけでなく、それぞれがどの学校に通っているのかを示すためでもあるわね。女子のスカートの長さ?というか短さには正直、驚いたこともある。それに関して人に尋ねてみたら、スカート丈の上限と下限が校則で決められていて、その範囲なら親の許可を得て自分の好きな丈を選べるらしいの!」
フォトギャラリー: アルベルト・フェランドの写真
ビーチとサーフィンの文化は、オーストラリアのファッションに大きな影響力を持つ