イギリス連邦王国と同じく、オーストラリアでも車は右ハンドルの左側走行。AT車が多いので、左側走行のルールに不慣れな人、たとえば観光客でも運転しやすいと言えます。
都心を離れた地域でも、要所ごとの休憩所に基本サービスはありますが、休憩所どうしが数百キロも離れている場合もあり、こうした場所を運転するときにはガソリンスタンドや食糧や水を補給するポイントをうっかり通り過ぎないようにしなくてはいけません。街道沿いに建つロードハウスでは食事もできますが、夜は閉めてしまう店も多いので要注意です。
アボリジニ族のコミュニティ内を通過するには許可が必要な場合があるので、こうしたエリアを運転するのは避けたほうが無難です。特に西オーストラリア州、南オーストラリア州とノーザン・テリトリーにそのコミュニティが多く見られます。
一方、都市部は道路が混んでいますから、ラッシュアワーにハマりたくないなら早朝と午後の遅い時間の運転はお勧めしません。
進行方向と反対側のスペースに駐車すると罰金が科せられますし、レンタカーで路上に出る前に交通法規についての簡単な試験を受けさせるレンタカー会社もありますよ。
どのレンタカー会社でも、夜間の運転とオーストラリア本土以外の小島での運転、未舗装の道路の走行(事故を起こしても保険の適用外に!)については制限を設けています。
オーストラリアの場合、命に関わるような自動車事故は夜間に発生することが一番多く、ドライバーの疲労や動物の道路横断が原因とされています。
日が暮れたあとの運転を控えたほうがよいのは、カンガルーなどさまざまな動物が巣穴から出てきたり、コアラが止まり木を移動したりするから。
どうしても夜間に運転する必要があるときは、スピードをギリギリまで落とし、いつも以上に注意して走行することです。
ドライバーに許される血中アルコール濃度の上限は国内一律0.05%ですが、免許取り立てのドライバーの場合は0%で、どんなに微量でも完全アウト。
アルコールや薬物の影響がある状態での運転は、オーストラリアでは犯罪です。ですから路上で抜き打ち検査がしょっちゅう行われ、長い列ができているのもその検査のためです。
罰金と一時的な免許停止を科され、どのくらい酔っぱらっていたかの程度に応じて裁判所が決定します。アルコール呼気測定検査を拒否した場合も犯罪とみなされ、同じように罰則の対象となります。
主要都市付近には通行料が必要な道路があり、車に搭載された電子機器でのみ支払うことができます。この機器なしで有料道路を走行する場合、道路を利用した日から3日以内にその市のホームページで支払いの手続きをしないと罰金が発生します。また、たとえばシドニーでレンタカーを借りる場合、レンタカー会社から少額の追加料金を求められますが、これを支払うとすべての有料道路が利用できるようになります。
それから、もしラウンドアバウトを走らなければならないときは、時計回りに走行することをお忘れなく。
イタリアでは右側車線を走行するので、こちらに来た当初は本当に難しくて、とにかく違和感がハンパなかったです。
信号がある場所でUターンをするのも違法行為だし、スピード違反に対しても政府はまったく容赦しません。スピード違反監視カメラが各州に設置され(堂々と設置を表示したカメラもありますが隠しカメラもあります)、パトカーにも速度検出器が搭載されています。
文: アルベルト・フェランド ----------- フォトギャラリー
道路を横切る動物と「動物注意」の道路標識