簡単に説明すると、これから生まれてくる赤ちゃんの性別を招待客の前で披露するパーティのことです。
科学技術が進歩したおかげで、生まれてくる子が女の子か男の子か、妊娠のかなり早めの段階から正確に分かるようになりましたね。
このお祝いは赤ちゃんが生まれる前、妊婦が流産の可能性が最も高い初期の3ヶ月を過ぎ、無事に妊娠中期に入った頃に行われます。
すでにピンときた人もいるでしょうが、このトレンドはSNSから始まったもの。2008年、あるブロガーが、生まれてくる赤ちゃんの性別をお披露目するケーキについて自身のソーシャルメディアアカウントに投稿しました。彼女の投稿が稲妻のようにネット上で拡散され、瞬く間にこれに影響される母親が続出したわけです。
婚礼にふさわしいほどの豪華なケーキから、ピンクかブルーの水を吹き出してくれる噴水まで、昨今ではインフルエンサーもセレブも一般人女性も、いかにオリジナルな方法で赤ちゃんの性別をお披露目するかを競い合っているようです。
性別お披露目パーティはベビー・シャワーとよく混同されますが、この2つは実はまったくの別もの。一般的に性別お披露目パーティはベビー・シャワーよりずっと早く、妊娠3ヶ月を過ぎた頃に開かれます。こちらのお祝いは赤ちゃんの性別をみんなで当てっこする面白さがメインとなりますが、一方のベビー・シャワーは、文字どおりシャワーのごとくたくさんの贈りものをママとベビーに浴びせるためのものです。
ベビー・シャワーには母親になる女性の女友達が参加するのが一般的ですが、豪州では性別お披露目パーティはバーベキュースタイルで開かれ、誰でも参加できます。
実際の性別お披露目パーティがどんなものかは、初めて参加したときに分かりました。
母親になる女性の担当医師は、超音波か出生前性別検査の結果を封筒に入れて封をします。
妊婦は信頼できる人にこれを預け、預かった人は待ち望んだ結果を知った上でパーティの準備の手配を手伝います。
ピンクかブルーのデコレーションの色で「男か女か」を知らせる古典的手法を踏襲するか、または、これまで実際に見た例では「バレリーナ対運転手」「バービー対ケン」のようなオリジナルなスタイルにするか(いろんなものがあります)、妊婦はこの時点でパーティのテーマも決めなくてはなりません。
室内やテーブルの飾り、赤ちゃんの性別をお披露目するアイテムや食べもの、飲みもの(ケーキやカップケーキ、パイなどもお披露目に使えます)、ゲームや各種エンタメなどの準備も欠かせません。
これらのアイテムはパーティやセレモニー用グッズのお店で買えますし、ネットで検索すれば、性別お披露目イベント専門のオンラインショップもたくさん見つかるはずです。
ほとんど1年中好天に恵まれるシドニーでは、プールサイドのパーティや定番の「バーベキューにはエビを(shrimps-on-the-barbie)」スタイルのバーベキューなど、屋外で行われることが多いです。
故郷のイタリアにはこうした習慣がなく、ベビー・シャワーについても、生まれる前の赤ちゃんのためにパーティを開くのは縁起が良くないとされています。
それでも個人的に、このパーティは、新生児を迎える夫婦にとって素晴らしいことで楽しい行事であり、赤ちゃんにとっても自分のために行われたイベントの記念写真を、いつか目にするという楽しみになるのではないかと思うのです。