• 2022.10.20
  • シドニーって、オーストラリアのナイトライフの中心地?
これはいい質問ですね。
というのもこの問題は、オーストラリア人のライフスタイルや飲酒と密接な関係があるからです。
この魅力的な首都は「夜の活動を好まない」、要するに朝型の街。シドニーにあるスポーツジムは午前6時から営業しているし、ここに住んでいる人はみな朝8時前には起きて、朝ごはんもめちゃくちゃ早い時間にすませます。やることはさっさと終わらせて充分な休息をとり、翌朝から再び生活サイクルをスタートするというわけです。

平日のナイトクラブは夜の1時30分までに閉店します。週末のみ朝3時までパーティを楽しめますが、その場合でも飲酒に関する厳しい規則に従う必要があります。
アルコールを販売する場所で働く場合、安全規則を理解していることを証明する講習を受ける必要があります。
オーストラリアにおいて、アルコールは進行し続ける社会問題なので、私たちヨーロッパ人が慣れ親しんできたものとは大きく異なる現実があるのです。
アルコールの消費についてもすごく厳しい法規制があって、たとえば午後10時以降は酒店でのアルコール販売は禁止、午前0時を過ぎると市内のバーやクラブでは、ショットのお酒もリキュールもスピリッツも提供することができません。
バーベキューや個人のパーティでは大量のお酒が出てきますが、それを除くと、オーストラリアでは公共空間での飲酒は厳禁です。
こうしたバーベキューやパーティなどが行える場所以外でアルコールを飲んだら最後、たとえ誰であろうがとんでもなく高い罰金刑が待っています。
18歳未満の未成年は飲酒できないし、親か保護者の同伴がなければアルコールを提供する施設に立ち入ることもできません。
バーやクラブの入り口には用心棒が常駐していて、どんな人が相手でも例外なくIDチェックを行います。あなたが40歳に見えようが若く見えようが、身分証明書を提示しないと中には入れません。
その人の実際の顔と顔写真をスキャンして、身分証が本物かどうかチェックできる機械を置いているところもあるほど。
しかし、深刻な飲酒問題を解決するためのこうしたルールは、果たして効果を発揮しているのでしょうか。
残念ながら週末に通りに出ると、あらゆる世代の人々が酔っぱらってふらふらと歩き、気分が悪そうにしているのを見かけます。酒類の販売や消費にこれほど神経をとがらせているシドニーで、なぜこのような社会問題を代表するような現象が広範囲にわたって拡大し続けているのか、と疑問に感じるのも当然です。

気軽な話題に目を向けると、シドニーのナイトライフの中心地はキングスクロスで、週末には若者であふれかえるほどの人気スポットです。
ここは、地元では「ザ・クロス」の愛称で呼ばれる、シドニーの中心部から電車に乗って数分ほどの小さなエリアです。ゴタゴタしたダーリングハースト・ロード周辺に発展した地区で、治安が悪く荒っぽい雰囲気ながら、魅力的な歴史もあるところです。
かつては船員やライセンス持ちの軍人が集まっていたキングスクロスですが、今では異なる2つの顔を持つ街です。昼間のキングスクロスは、リバプール・ストリート沿いのカフェでコーヒーを啜りながら立ち並ぶ古い建物を眺めたり、物見遊山の観光客も多い人々の往来を目で追ったりするのにぴったりの、どちらかと言えばのどかなエリアです。
夜になると、街の顔は一変します。奔放なお楽しみを求めてここに集まってくるのは、若い学生やバックパッカー、大人たちだけではありません。娼婦や詐欺師、ギャンブラーなど、胡散臭げな世界の住人もやって来るのです。
でも、ありがたいことにちゃんと警官もいて、安全を守るためにこのあたりの通りを巡回しています。
この界隈はアートとカルチャーの発信地でもあり、劇場やアートギャラリー、クラブ、トレンディでオルタナティブなマーケット、知る人ぞ知るレストランなども多く、どの店も夜まで営業しています。

特派員

  • アルベルト フェランド
  • 職業土木技師

みなさんこんにちは!私はイタリア出身ですが2012年からオーストラリアのシドニーで土木技師として働いています。
趣味は、海岸沿いの散歩、サーフィン、写真を撮ることです。
旅行が好きで、以前はブログを書いていたこともあります。
私はシドニーを拠点としており、アウトドア派でローカルイベントにも詳しいので、皆さんにシドニーの素晴らしさを知っていただければ光栄です。

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