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  • 2023.02.24
  • 賛否を巻き起こす「オーストラリア・デー」
毎年1月26日は、オーストラリアの建国記念日「オーストラリア・デー」です。
なぜ1月26日なのかというと、1788年、英国艦隊が最初にシドニー湾(当時の名前は「ポート・ジャクソン」)に上陸した日だからです。
さまざまな形式や方法で独立や国家の誇り、「オーストラリア人であること」を祝い、多文化と自由、楽観主義を讃える日なのですが、ほとんどのアボリジナル・ピープルと一部の白人活動家は、この日を「侵略の日」と呼んでいます。アボリジナルの祖先の多くが土地を奪われた際に殺戮され、結果的にイギリス人の上陸によって文化まで破壊されてしまったのですから。
ですが、ごく近年になって、アボリジナル・ピープルの多くはこの祝日を、祖先が外国からの入植者に完全に滅ぼされなかったことに感謝する「サバイバル・デー(生存の日)」として祝うようになりました。そして、こんな時代だからこそ、この日を境に土地を奪われ、迫害を受け、社会から疎外されることとなったアボリジナルに配慮し、この祝日の日付を変えるべきという議論がふたたび白熱しています。この流れを汲んで、シドニーで数年前から開催されている「ワガンマグル・セレモニー」など、アボリジナル・ピープルとともに開く公式の祝典がますます多くなりました。誰もが尊厳を持ちながら参加できるこうした祝典は、「過去」に敬意を捧げながら「現在」を祝福するものです。
この「ワガンマグル・セレモニー」では、アボリジナルが信仰する自然界の神々の恵みを乞うために伝統的なダンスを踊ります。
昨今では「オーストラリア・デー」に限らず、アボリジナルの旗が掲げられることも多くなりました。この国の現実として存在する2つの文化のギャップを埋め、マオリ族コミュニティが積極的に政府機関や文化振興などの場に参加する、隣国ニュージーランドのような包括的な文化を目指しているのです。
この問題の解決への道のりはまだまだ長いでしょう。アボリジナルは辺境の保留地に住むことが多く、都会で暮らしている人たちもさまざまな理由により、社会にうまく溶け込んでいるわけではありません。ですが、いつの日か彼らの文化が遺産としてきちんと守られるようになってほしいものです。

幸いにも「オーストラリア・デー」には、これとは別のハッピーな側面もあります。この日、新たなオーストラリア国民を歓迎するための式典が行われるのです。また、オーストラリア社会および国家全体の利益となるような、顕著で価値ある貢献や行為をした人物に贈られる「オーストラリアン・オブ・ザ・イヤー」や「オーストラリアン・ヒーロー・オブ・ザ・イヤー」などの受賞者たちが、首相から表彰されるのもこの日です。
花火を見て、BBQを楽しみ、ボートのパレードを鑑賞するという、いわばこの日の「三大アトラクション」を全て体験できた今年は、私にとってシドニーでの最高の「オーストラリア・デー」になりました。
まずは首相のスピーチがあり、スピーチの終わりとともになんとも暗示的な雰囲気になって、首相が立つ舞台と本土の間でボートのパレードが始まります。
ボートはそれぞれ中国、インド、イタリア、イギリス、ポリネシアなど、オーストラリアに住む各コミュニティを象徴していて、それはもう壮観のひと言でした。
港を包み込むめくるめく光のショーと音楽を伴ったボートのパレードが終わったと思ったら、すぐに花火が打ち上げられます。絶え間なく続く花火の祭典は45分にも及び、期待に違わぬ素晴らしい内容でした。この日はオーストラリアの各主要都市でも同時に花火が打ち上げられ、絶妙な色彩と組み合わせで、誰もが飽くことなく感嘆して空を見上げていました。
自宅のほか、ビーチや公営の公園でバーベキューやピクニックをする家庭も多く見られました。なんたって南半球では、1月は夏ですからね!


特派員

  • アルベルト フェランド
  • 職業土木技師

みなさんこんにちは!私はイタリア出身ですが2012年からオーストラリアのシドニーで土木技師として働いています。
趣味は、海岸沿いの散歩、サーフィン、写真を撮ることです。
旅行が好きで、以前はブログを書いていたこともあります。
私はシドニーを拠点としており、アウトドア派でローカルイベントにも詳しいので、皆さんにシドニーの素晴らしさを知っていただければ光栄です。

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