川沿いにあるこの大都市は、教育や保健、インフラといった点に加え、安定した経済、文化面の豊かさ、環境への配慮などでも高い評価を得ています。
丘陵や長く続くビーチがあるシドニーでもなく、熱帯雨林の野生的な魅力を誇るブリスベンでもありません。さらに言えば、メルボルンはオーストラリアの大都市の中で、おそらく環境や景観の美しさや豊かさに最も恵まれていない街でしょう。
多数の地方自治体から形成される大都市圏で、郊外には数百という互いによく似た住宅地が広がっています。
オーストラリアで2番目に大きなこの街には何度か行ったことがあり、私も気に入っていますが、今回は地元っ子に「ビクトリア州メルボルンはなぜ住みやすいと言われるのか」を聞いてみることにしました。
では、友人のベックの回答と、彼女が話してくれた内容をまとめましたのでご紹介しましょう。
- 活気があり、国際色が豊か
メルボルンは非常に活気のある街。常に多くのイベントが企画されて、誰かと友だちになったり、新しい人と知り合ったりネットワークを広げたりするのがとても簡単です。
街にはたくさんのコミュニティがあり、どのコミュニティも共同体としての意識が強く、ファンドレイジング(資金集め)やブロックパーティ(地域の住民が集まり主に野外で行うお祝いなどの活動)などの活動が盛んです。
また、エスニックな空気が色濃く感じられる国際都市でもあります。
住民の半数以上が外国出身と言われており、新たに移民してくる人もいるようです。
- リバーシティー(川の街)
街中を流れるヤラ川は、ボートでのパーティにはまさに理想の場所。地元のカフェや川沿いの遊歩道がたくさんあり、地域の人々は四季折々に散歩を楽しんでいます。
- ストリートアート
メルボルンのストリートアートは世界的に有名です! 裏通りは、まさにストリートアートの宝庫。ここのグラフィティには、通りがかりの人の落書きもあれば、かのバンクシーなど有名アーティストのサインが入った本物のミューラル(壁画)もあります。公的に認められないかたちで始まる、多々ある現象と同じく、グラフィティ行為も当初は嫌がられたり、妨害されたり、ひどい扱いを受けたりすることもありました。住民たちから拒絶されながらもグラフィティ行為はなおも広がり続けます。その後、バンクシーが作品を制作して以降、グラフィティは都市のアートとして認められるようになりました。
やがてストリートアートは街の名所の一つとなり、地方自治体もこれを街の付加価値としてとらえるようになりました。
- 音楽
音楽も、メルボルンのカルチャーの重要な部分です。大がかりなフェスから通行人向けに演奏するストリートパフォーマーまで、良質のライブ音楽が街じゅうに溢れています。
- ビーチ
メルボルン中心部からすぐ南に位置するブライトンビーチは、冬でも夏でも、海辺で一日過ごすのにぴったりの場所。ブライトン・ベイジングボックスはごく一般的な着替え用スペースですが、独特のデザインととてもカラフルな色使いが特徴のキャビンです。
-オーストラリアン・フットボール
最後にご紹介するのが、メルボルン生活とは切っても切り離せないオーストラリアンフットボール・リーグです。「オージー・ルールズ」とも呼ばれ、ラグビーやフットボールの要素を少しずつ取り入れたハイブリッドなスポーツで、それ以外は独自のルールを採用しています。
まとめると、夜遊びしたい人も自然が大好きな人も、ビーチ派も文化イベント派も、あるいはこれらを全部一緒に楽しみたい人も、メルボルンならすべて揃っているというわけです。…それ以上のものも、きっと見つかるでしょう。