オーストラリアの休暇は、こちらでは夏である12月から1月にかけて、クリスマス休暇に学校の夏期休暇(年間で最長の6週間)を組み合わせるというパターンが主流です。というわけで、12月24日から1月26日が休暇になりますが、オフィスやショップ、レストランはみな開いています。この期間の祝祭日はクリスマス(12月25日)、ボクシング・デー(12月26日)、元旦(1月1日)、オーストラリア・デー(1月26日)だけです。
12月24日から1月1日までの間、オフィスや会社の大半はお休みになりますが、それ以降はほとんどが1月中営業しています。
学校は10週間ごとに2~3週間の休みを設けているので、子どものいる家庭は年間を通してプチ休暇を取ることが多いです。
7月にある2週間の休みは、北半球の夏をエンジョイしたい人や母国に帰省したい駐在員の人気がとくに高い休暇です。唯一の問題は、学校にあります。すべての英連邦諸国がそうだと思いますが、家族のバカンスのために生徒が学校を休むことは、この国ではまず認められません。つまり、オーストラリアに住んでいて学校に通う年頃の子どもがいれば、ヨーロッパの夏のあの長い休暇とは無縁です。
一方、子どもがいなければ自由度はぐっと上がり、好きな時に旅行に行くことができます。オーストラリアでは通常、年間21日間の休暇を取ることができます。嬉しいことに、少なくとも大半の職場では使わなかった休暇を翌年に繰り越すことが可能なので、消費できなくても失効してしまうということがないのです。多くの雇用者にとってみれば、もちろんその年のうちに休暇が取得されることが望ましいわけですが、普通は従業員に強制することはできません。そうした理由と、さらにオーストラリアでは往復するだけでもお金がかかるという事情もあり、何年も長期休暇を取らずにちょこちょこと数日間の休みを取り、然るのちに上司の許可が得られれば特別に長い休暇を取得する、という人がたくさんいます。
とは言え、シドニーのような都市に暮らす最大の利点といえば、夢みたいなビーチと素晴らしい海がある最高の街に暮らしているという点。要するに、街で夏を過ごしながら週末ごとに海に行けるなんて、バカンスでどこかに出かけるのに劣らず魅力的で、強力な代替案じゃないでしょうか。
国土が広くて休みも短いので、オーストラリアでの休暇は車か国内線で移動するローカルな旅になりがちです。国内の航空会社は4社しかなく(当然ながら国際線を除きます)、そのうちローコストキャリアと呼べるのは2社だけ。その2社にしても、それほど安いわけではありません! 鉄道網はほとんどないに等しいし、長距離バスで街から街に移動するには永久にどこにも着かないのでは、と思うほど時間がかかります。
つまり、オーストラリアで週末旅行の計画を立てるのは楽なことではなく、お金もかかるのです。確かに、シドニーにとってのブルー・マウンテンズのように、都市の近郊にも日帰りで行ける風光明媚な目的地がたくさんありますが、とにかくオーストラリアの場合はヨーロッパのように他の国際都市で週末を過ごすなんていうことは不可能です。
では近場で海外旅行を楽しみたい場合は、どうしたらいいでしょう。ご近所さんのニュージーランドや東南アジア諸国であっても、飛行機で数時間かかることは覚悟しておいてください。
インドネシア、正確にいうとバリ島は、最も安くて近いエキゾチックな旅行地なので、オーストラリア人も多く訪れます。
隣国のパプア・ニューギニアは犯罪率がとても高いので、安全で理想的な旅行地とは考えられていません。
ニュージーランドは最高のスポットで、オーストラリア人のほとんどが人生で一度は訪れます。ビザも不要で、オーストラリア人は自由に入国できるのです(ニュージーランドからも同様)。