イタリアは世界有数のペットボトル飲料水の消費国ですから、ボトル入りのミネラルウォーターを飲むのが当たり前で、レストランなどの施設でお客さんに水道水を出すなんてことはありません。水が飲みたい時は、お金を払うのが基本です。
そんなイタリアでも、ミネラルウォーターの消費を抑え、使い捨てペットボトルを削減する意識を高めようと、少し前からPrendilacquaというキャンペーンが始まっています。オンラインで立ち上げられたこのキャンペーンは、飲用の水道水の蛇口を備えたバールやレストラン、クラブと「水は共用の財であり、万人のものである」との原則を実践すべきだと考える人たちをつなぐために始まりました。
イタリアでは信じがたいことですが、オーストラリアでは水道水を飲みたいお客さんのために水道栓が設置されており、グラスも用意されています。
レストランなど食事を提供する施設ならどこでも、氷入りまたは氷なしの水差しに水道水を入れて出すこともいたって普通の光景なのです。
それ以外にも、オーストラリアでごく当たり前の習慣となっているのが、テーブルクロスやランチョンマットなしで料理を出されること。イタリアではテーブルクロスやカトラリー、それにパンを含めた一式が「コペルト(coperto)」として料金に含まれるので、テーブルクロスがないというのはありえません。
もうひとつ、地球の反対側にあるこの地で暮らし始めた頃にカルチャーショックを受けたことは、オーストラリアの生活リズムに関するものでした。オーストラリアは気候こそ地中海性ですが、生活リズムは北欧あるいはイギリスやアメリカに似ています。食事の時間も帰宅時間も、すべてが早い時間に設定されているのです! 標準的な労働時間は朝9時から夕方5時までなので、お昼は大体12時、夕食は6時か遅くても7時には食べるのが一般的です。レストランのピークタイムは6時から8時で、夜9時以降に営業している飲食店はほとんど見かけません。
私自身、オーストラリアでは5時半に夕食をとることもありますが、イタリアではおやつの時間にあたるので、慣れるのに時間がかかりました。食事を早く終えると、当然外出する時間も早くなります。友達と遊びに出かけるときも、待ち合わせが8時より遅くなることはまずありません。必然的に、何時間か遊んでも、日付が変わる前には帰宅してくつろいでいることになります。ほどよい時間にベッドに入って、朝もそのぶん早く起きてほかのことができるというわけです。
BYO(Bring Your Own)または BYOB(Bring Your Own Bottle)という言葉があります。これには、パーティやディナー、レストランなどにアルコールの持ち込みが可能なこと、あるいは「各自がアルコールを持参してください」という意味があり、アングロ・サクソン諸国ではきわめて一般的な表現です。
初めてこの言葉を知ったときはびっくり仰天でした! オーストラリアでは、ランチやディナーでレストランを利用する際、自宅からワインを持ち込むことが許されているのです。持参したボトルを開けてくれる「開栓料」を会計に上乗せするレストランもあれば、一切追加料金がかからない店もあります。大抵は酒類を提供する免許がない店でのみ持ち込みが認められていますが、例外もあります。パーティやディナーに招待された際には、自分が飲みたいアルコールを持ち込むのがルールです。実際、飲み物が足りないとか、飲みたいものが飲めないといった事態を避けられるので、これは良いシステムですよね。
BYOB(ドリンクは各自で持参)!!