シドニーは亜熱帯性気候に属するため、冬は温暖で夏はおおむね暑くなります。
ですが、とりわけ秋には雨がよく降るので水不足になることはなく、ニューサウスウェールズ州の州都・シドニーには基本的に乾季がありません。風もしょっちゅう吹き、特に10月から4月にかけての最も暑い季節には顕著です。この時期の気温は25℃くらいですが、砂漠からの風が砂だけでなく熱波をも運んできて、短時間とは言え温度計の表示が35℃以上になることもあります。簡単に言えば、ここは陽光に恵まれ、通常は気候の良い街ですが、突発的に激しい雷雨や雹まじりの嵐に襲われることもあるのです。
9月から10月にかけて、オーストラリア中でジャカランダの木や野の花々が咲き誇ります。
キャンベラでは、この時期に南半球最大のフラワーフェスティバル「フロリアード」が開催されます。
この祭典では園芸ワークショップ、音楽やエンターテイメント満載のナイトイベントなど、エキサイティングな催しが目白押しです。夜になると花壇がライトアップされ、会場はひときわ盛り上がりを見せます。
キャンベラは気球の名所としても知られているので、朝のうちに空の旅を楽しみ、午後からは市内の博物館を訪れるのもお勧めです。天気が良ければ、ピクニックバスケットに食べものを詰め、ボートを借りて湖をクルーズするのもいいですね。
シドニーの春は、田園地帯や数ある近隣のワイナリーを訪れたり、絵葉書のようなブドウ畑やビーチ、あるいは海岸沿いのピクニックエリアでのんびりと昼食を楽しんだりするのにうってつけの季節です。
オーストラリアのような広大な国では、国土の端から端までに様々な気候区分が存在するため、植物相もとても豊かです。野生の花から熱帯種、伝統的な品種など、いろんな花々が咲き乱れ、豊かな緑が生い茂っています。
ところで、オーストラリアでは春にどんな花が咲くかご存じですか?
総じてオーストラリアのワイルドフラワーは、ほかでは見られないような色鮮やかで香りの良い花を咲かせます。例えば、魅力あふれる黄金色の花々は、オーストラリア文化の象徴とされています。ゴールデン・ワトルの仲間で、オーストラリアに自生する植物です。
南オーストラリアで愛されている花に、スワインソナ・フォルモーサがあります。これを発見した植物学者にちなんで名づけられたこの花は、スターツ・デザートピー・フラワー(Sturt's desert pea flower)とも呼ばれています。
バンクシアはオーストラリアのシンボルにもなっている花ですが、品種も色も非常に豊富で、道端の花壇を彩る小さな茂みから高さ20メートルもあろうかという大木に至るまで、あらゆる場所に咲いています。
オーストラリアにおける食物連鎖でも重要な役割を果たし、国の風景の一部にもなっているバンクシア。オーストラリアを訪れた人はこの花の写真を撮らずに帰れない、と言われるほどです。
植物園から人里離れた地方の道、ハイウェイ沿いに広がる大きな草原、国立公園、果ては空港の入口を飾る茂みに至るまで、とにかくどこに行っても必ずこの花が目に入るでしょう。私にとって、バンクシアはオーストラリアを表す花であり、この大陸に到着した人を最初に出迎えてくれる存在でもあります。
ほとんどの地域が高温多湿の気候であるオーストラリアは、多種多様な自生植物の宝庫でもあります。淡いピンクから燃えるような赤まで色のバリエーションが非常に豊富なキング・プロテア、ピンクワックス・フラワーとも呼ばれる、繊細な白とピンクの花が特徴のエリオステモン・オーストララシウスなどは、この土地の恵みを受けた愛すべき花々の一例です。
バンクシア