年末年始営業のご案内
12月31日(火):18:00終了
2025年1月1日(水):全館休業
※各店舗の年末年始の営業についてはフロアガイドよりご覧下さい。

  • 2023.11.14
  • 活気あふれる図書館
シドニーではすてきな市民図書館が新設されました。図書館を収容するコミュニティセンター「The Exchange」はダーリング・スクエアに位置し、まさに建築的傑作と言えます。らせん状のファサードが特徴で、サステナブルな資源から「集め」た20kmもの長さの木製薄板をパネル化して重ね合わせ、ジョイントが見えないような形でぐるぐる巻きに取り付けています。
この図書館は単なる本の置き場所ではなく、読書好きの人や、何時間かリラックスして過ごしたい個人やグループが集まる場。勉強するための場所でもあり、会議の場でもあり、仕事場やイベント会場にもなっています。

先程ご紹介したように、この建物があるのはダーリング・スクエア。ここは新しい地区で、ダーリング・ハーバーやチャイナタウン、ヘイマーケットを結んでいます。地域の再開発の要でもあるこの建物は、日本の建築家、隈研吾の作品です。
一階にあるマーケットのガラスのスクリーンを開けば周囲のコミュニティと一体化する仕組みになっていて、らせん状の木製ファサードはまるで皮膚のように建物を包み込みながら正面の広場に広がり、このプロジェクトが周辺の地域全体の再開発を狙いとしていることが分かります。
図書館は「The Exchange」と銘打った一大建設プロジェクトの一環として開設されました。同プロジェクトでは、一階に屋内マーケットを配置し、屋上にはレストランやバー、館内には新しいスキルを学んだり、起業への第一歩を踏み出したりできるコワーキングスペースを備えたクリエイティブ・ラボも設置されています。図書館のエリアには、幼い読者向けのコーナーやアジアや外国語の本などの特別コーナーも設けられています。
託児所もあり、子どもを預けてコワーキングスペースで仕事もできるようになっています。

私が読んだ記事によれば、建物をらせん状に取り囲む木製の薄板は、「鳥の巣」とその中に守られた空間を象徴しているそうですが、その繊細な形やリサイクル素材の使用から、環境と気候の両方に対する深い敬意が感じられるのは間違いありません。
さらに言えば、日本の優美さをも思わせる見事な建物でもあります。
各フロアの外側にテラスを作ることでダイナミックな動きが生まれ、ユニークな幾何学的な形を創りだしています。広い屋根付きテラスからの眺めは素晴らしく、中でもレストランフロアからの眺望は間違いなく最高です。

The Exchangeの図書館がシドニーで最初の重要な市民図書館であることは間違いありません。
この他にも、ミッチェル図書館とも呼ばれるニューサウスウェールズ州立図書館があります。オーストラリア最古の図書館で、ここも訪れる価値は大いにあります。
ここは1869年に設立され、600万冊以上の資料が所蔵されているそうです。
オーストラリアの図書館で一番好きなところは、借りなくても座って本が読めることです。気軽に何ページか読んでから借りるかどうかを決められるのです。この国では書店でも同じように試し読みができます。イタリアでは購入前の本を読むことはできないので、これにはびっくりしました。
ここオーストラリアの公共の図書館では、大人向けや子ども向け、ティーン向けなど、いろんなアクティビティがたくさん企画されています。
当然ながら、ブッククラブも見つけましたが、選択肢はまだまだあります。図書館は、人とのつながりを築くことや学ぶことに重きを置く、文化と交流の中心的な場なのです。
編み物クラブやスクラップブック・クラブ(これは初めて知ったのですが、カラフルなパッチを切り貼りしてアルバムを飾る、主にアングロサクソン系の伝統的な楽しみのようです)、地元の図書館に集まる料理クラブなんていうのもありました。これほど活動が豊かなのは、図書館がとても平和な場所であること、Wi-Fiはいつでも無料で使えて、タダで手に入れられる材料が際限なくあり、たいていの場合DIYや手芸のコーナーもあるから、というのが大きな理由だと思います。

特派員

  • アルベルト フェランド
  • 職業土木技師

みなさんこんにちは!私はイタリア出身ですが2012年からオーストラリアのシドニーで土木技師として働いています。
趣味は、海岸沿いの散歩、サーフィン、写真を撮ることです。
旅行が好きで、以前はブログを書いていたこともあります。
私はシドニーを拠点としており、アウトドア派でローカルイベントにも詳しいので、皆さんにシドニーの素晴らしさを知っていただければ光栄です。

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