ここを訪れると、他のオーストラリアの州都とはどこか違うことがわかります。おそらくより英国風で伝統的なアデレードは、近代化という点ではやや引けを取りますが、ここ数年の間に暮らしやすい家族向けの街として重要視されるようになってきました。
ほかの都市のように流刑地ではなく、自由入植者が築いた街だったことから、アデレードはつねに際立った調和の良さを保ち続けてきました。また、主にアジアやヨーロッパからやって来た移民のおかげで、今や多民族文化の中心地でもあります。私がこの国で出会った多くの人々にとっても、アデレードでの暮らしはエキサイティングな経験だったようです。
アデレードに住むという選択は、ほとんどの人にとって特に気候面でメリットがあります。実際のところ、この街はカラっとした晴天の多い気候で、夏は暑くなりますがムシムシすることはありません。冬は対照的に雨が続くこともありますが、それほど厳しい寒さになることはないのです。アデレードは、広大な海と隣接する山脈の頂の中間にある魅力的な場所に位置します。さらに、ここは果てしなく広がるオーストラリアのアウトバック(遠隔地)の手前にある最後の砦の街なので、多くの旅行者にとっての経由地であり、外国人からも愛されている目的地でもあるのです。
100万を超える住民がいながら「小さな町」の雰囲気を漂わせる可愛らしい街、アデレード。緑に囲まれ、公園やブドウ園、美術館や博物館といった豊かな文化が根付き、のんびりしたスローな生活が送れる場所です。
アデレードはオーストラリアに来ることを決めた人たちが最初に選ぶ街ではないかも知れませんが、アウトバックを訪れる際の絶好の出発点でもあるし、周りにはブドウ畑もあるので仕事探しにも困りません。
交通も整っており、気温に関わらず自転車で移動する人が多いのも特徴です。中心部には19世紀風の教会とガラス張りの高層ビルが隣り合わせに立ち並び、レトロとモダンが共存しています。
アデレードの真珠とも呼ぶべき場所は、何と言ってもセントラル・マーケットです。屋根付きの市場で、野菜や果物、お肉やチーズにパンなどの生鮮食品が魅力的な価格で売られているので、買い物に訪れる地元の人たちもお気に入りのスポットです。
それから、環境に配慮した代替交通手段を利用したい人は、アデレードのセントラル・マーケット方面でたくさん走っている電動アシストトライシクル(三輪自転車)に乗ってみてください。
1869年に建てられたセントラル・マーケットは、150年以上に亘り地元で生産された最高の食材を提供してきました。マーケットの隣にあるチャイナタウンでは、さまざまなものを売る店が並び、東洋のスパイスの香りが漂っています。
ガールフレンドと一緒にアデレードを訪れたとき、私たちがまず向かったのは街の北に位置する植物園でした。入場無料で、外には自転車も停められます。大学のキャンパスやミュージアムもあり、周囲はとても活気があってフレンドリーな雰囲気でした。
園内にはバラ園や熱帯植物のある温室、オーストラリアのいろんな植物標本、アヒルが泳ぐ池などがあります。植物にあまり詳しくない人でも楽しく散策できますが、より詳しく知りたいという人には、無料の園内ガイドツアーも毎朝開催されています。
この街でいちばん人気のあるショッピングストリート、ランドル・モールにも行ってみました。ここは街の中心部にあるとても長い歩行者天国で、ありとあらゆるショップや屋内ショッピングセンターが揃っています。
移動に車が必要なオーストラリアの多くの都市とは違い、アデレードは歩いて街を回ることができるので、観光するのもとても快適です。