このコンサート・ホールは世界でも羨望の的になっていて、イベントスペースの席に座れば、天井の複雑な建築構造や壮麗な舞台を存分に楽しむことができます。オペラハウスでは、コメディーからオペラ、ダンス、ミュージカルなど、ありとあらゆる種類のパフォーマンスアート・ショーが開催されていて、どれを選ぼうか?なんていう贅沢な悩みも味わえます。
この建物の素晴らしさについては、すでに過去のブログで長々と紹介しましたが、今回は「イベント会場としてのオペラハウス」に焦点を当て、ここで開催されるパフォーマンスやイベントについてお話ししようと思います。
シドニー・オペラハウスは、かつてガディガル族が所有していた土地に建てられています。
夜になると、シドニーを象徴する建物の白壁には「水の光」を意味するカディガル語「Badu Gili(バドゥ・ギリ)」と名付けられた見事な光のショーが映し出されます。アボリジニ族の物語を描いたこの素晴らしい光のショーを一番のビュースポットで鑑賞したいなら、階段のてっぺんまで上ってみましょう。
大胆でありつつも調和がとれたこの建物は、4つの劇場とショップ、レストランを擁しています。5,738人を収容できるコンサート・ホールでは、オペラやバレエのほか、交響曲や合唱、フォークにポップス、ジャズなどのコンサートが開催されています。ホール内には1万本以上ものパイプを備えたオルガンがあり、この類の機械楽器では世界最大を誇ります。また、ここは映画館としても使われています。
オペラハウスの中にはレストランもありますが、一番の魅力はメニューの素晴らしさなのか眺望の良さなのか、どちらも甲乙つけがたく決められません。マッドクラブなどの代表的なオーストラリア料理を提供していて、まばゆい港の灯りを眺めながらの食事は、それこそケーキの上のアイシングのごとく、さらなる喜びを演出してくれます。
今、シドニーおよびオーストラリアは、世界初の海洋都市の湾に立つ象徴的な劇場であり、世界的な建築物でもあるオペラハウスの記念すべき50周年のお祝いに沸いています。オペラハウスは、カンガルーやウルル(エアーズロック)の一枚岩と並んで、世界最大規模の国土を誇るこの国のシンボルのひとつとなりました。
ニューサウスウェールズ州は世界に先駆けて新年を迎えますが、毎年大晦日にはシドニー湾に浮かぶオペラハウスの「帆」と呼ばれる部分がレーザーで照らされます。今年は例年を上回る規模のレーザーショーが開催される予定です。また、この代表的なモニュメントはテレビやウェブニュース番組の主役としても取り上げられます。大晦日の夜、シドニーの街はきれいにめかしこみ、真夜中の空に開く花火を伴って、世界中にその美しさをアピールするわけですね。
年に一度開催されるオペラ・ガラ・コンサートを限られた幸運な人たちが鑑賞する一方で、地元の人々や観光客は直接、そして世界中の人々はテレビを通じて花火を楽しみます。オペラ・ガラの休憩時間も夜9時の花火に合わせて設けられ、シドニー・オペラハウスは真夜中に打ち上げられる花火の時間まで営業しています。
大晦日のシドニーのような場所は世界中どこにもありません。言うまでもなく、シドニー・オペラハウスは湾内で打ち上げられる花火を見るのに最高のビューポイントなのです。
デンマークの建築家ヨーン・ウツスォンの設計によるこの建物には、AI(人工知能)も活用されています。前世紀と新世紀の著名建築家たちのスタイルをこの建物に適用して街の摩天楼のシンボルを再構築し、前例のないフォルムを実現したのです。
しかし我々は、完璧であろうがなかろうが、オーストラリアらしいありのままの「帆」を愛してやみません。