• 2024.03.27
  • オーストラリアの旧正月
旧正月、別名「チャイニーズ・ニューイヤー」は、オーストラリア文化のひとつ。シドニーでの旧正月のお祝いは、中国やアジアを除けば世界最大だそうです。
中国や東アジア諸国では、旧正月は重要な文化的祝日です。シドニーにおける祝祭は1月と2月に最も盛り上がりを見せるのですが、大きく4つのフェーズに分けられていて、大晦日の1週間前からスタートします。

オーストラリアにはアジア以外では世界最大規模を誇る中国人コミュニティがあるため、旧正月は広く普及しています。中でもシドニーでは、イベント満載で旧正月をお祝いします。
1月末、ダーリング・ハーバーで毎年恒例の花火が打ち上げられると、旧正月のお祝いがスタートします。シドニーの中国庭園(Chinese Garden of Friendship)では、四季それぞれを再現した光のショーが行われ、アジア風の音楽や食べ物、飲み物なども提供されます。
中国人居住区では、屋台が立ち並び、ストリート・アートで彩られたマーケットも開かれます。

旧正月の第一フェーズは「小年(小正月)」と呼ばれる祈りの日で、次に実際の正月の前夜である「大晦日」が続きます。大晦日には、家族が集まってプレゼントを贈り合います。
お祝いのメイン期間は15日間続く「春節」で、最後のフェーズとなる「元宵節(げんしょうせつ)」まで続きます。
太陰暦は月の満ち欠けをもとにして作られた暦です。中国庭園で開催されるシドニー・ルナ・フェスティバルでは中国舞踊のダンサーが踊りを披露し、東南アジアの国々の文化を学ぶ絶好の機会を提供してくれます。
旧正月は確固たる歴史的ルーツを持った文化的なイベントで、関連した様々なシンボルや定番の祝い方があります。人々は飾り付けに参加したり、大晦日にはシドニー内に数多くあるレストランで中国の伝統料理を食べたり、贈り物や有名な「赤い封筒」を交換したり、中国人居住区で販売している花火や爆竹を鳴らしたり、シドニーのあちこちで行われるライオンダンスや龍舞を鑑賞したりして、旧正月を祝うのです。

中国系オーストラリア人の友人の話によると、文字どおりみんなでテーブルを囲んで大晦日の夕食用の餃子を何百個も作るのが伝統なのだとか。
餃子を大量に仕込むのは、冷凍保存して大晦日以外の旧正月の期間中に食べるためだそうです。
現在の中国ではグレゴリオ暦が使われていますが、世界じゅうの中国人が伝統的な旧暦を手放すことはないでしょう。というのも、正月や元宵節などの主要な祝日は旧暦に準じているからです。
中国人は、太陰暦に基づいて冠婚葬祭や引越し、新しい職の始め時に至るまで、最も縁起が良いと言われる日を選んでいます。
中国の伝統的な暦は、地球の周りを回る月の軌道と太陽の周りを公転する地球の軌道の両方を取り入れています。
各月の始まりは月の満ち欠けで決まります。そして、東南アジアの国々で多少の違いはあるものの、毎年1月から2月の間がお正月です。

新年の15日目に祝われる元宵節が英語で「ランタン・フェスティバル(Lantern Festival)」と呼ばれるのは、各家庭で小さな提灯を作って玄関の外に吊す習慣から来ています。
十二支のサイクルは、始まるのも終わるのも旧正月の元日で、毎年これを繰り返します。年ごとに異なる干支が決められていて、それぞれに特徴があります。一般的に、中国人居住区だけでなく、それ以外の場所でも新しい年の干支の動物が装飾に使われます。
シドニーの国際色豊かなところが私はとても好きなのですが、中国の旧正月のお祝いに積極的に関わる点は、国際性を証明する良い例なのではないでしょうか。

特派員

  • アルベルト フェランド
  • 職業土木技師

みなさんこんにちは!私はイタリア出身ですが2012年からオーストラリアのシドニーで土木技師として働いています。
趣味は、海岸沿いの散歩、サーフィン、写真を撮ることです。
旅行が好きで、以前はブログを書いていたこともあります。
私はシドニーを拠点としており、アウトドア派でローカルイベントにも詳しいので、皆さんにシドニーの素晴らしさを知っていただければ光栄です。

アルベルト フェランドの記事一覧を見る

最新記事

リポーター

最新記事

PAGE TOP