ブルー・マウンテンズについては過去の記事で長々と書いたので、今回はシドニーのそばにあるロイヤル国立公園(Royal Natural Park)とパーム・ビーチ(Palm Beach)を比較しつつご紹介しようと思います。
この2つの公園はどちらもシドニー郊外の素晴らしい大自然の中にありますが、位置は大きく離れています。パーム・ビーチは北の果て、一方のロイヤル国立公園は南の果てにあります。
パーム・ビーチ
手つかずの自然が広がる公園の中にいるように感じられますが、海に接するところまで広がるパーム・ビーチはあらゆる意味で都市の一部です。ここへはバスで簡単に辿り着くことができます。乗車時間は2時間ほどなのですが、道中はどこを見るべきか決められないぐらい絶景ばかりなので時間を忘れるほど。湾を2度横切り、美しい東側のビーチに沿って進むと、息を呑むほどの眺めが広がるパーム・ビーチの外れへと到着します。
パーム・ビーチは、海と静かなピットウォーター湾(Pittwater Bay)の間に延びる長い半島にあります。
私のお勧めは、まず19世紀に岬の北の端に建てられたバレンジョイ灯台(Barrenjoey Lighthouse)へ歩いて行ってみること。頂上からは、湾全体を見渡せる素晴らしい景色が楽しめること請け合いです。
その後は、湾の美しい眺めを堪能できる素敵なレストラン、ボート・ハウス(Boat House)でランチと洒落込みましょう。小さなモーターボートを何時間か借りて、国立公園の中にある入江を訪ねてみることもできます。人の手で汚されていない公園の綺麗なビーチを自由気ままに探検したり、人っ子ひとりいない密林に分け入ったりできるので、強くお勧めしたいアクティビティです。
ロイヤル国立公園
海を見下ろす高く切り立った絶壁や多くの自然公園を擁するシドニー南部の海岸の眺めは、さらにワイルドです。ロイヤル国立公園もここにある公園の一つで、海岸から内陸まで約30㎞にわたって海岸保護区が広がっています。ここは1897年に設立されたオーストラリアで2番目に古い国立公園です。壮大な崖やひとけのないビーチがあちこちに散在し、周囲は低木や熱帯雨林に囲まれていて、小さなワラビーに遭遇することも珍しくありません。
パーム・ビーチと同じく、ロイヤル国立公園もシドニーの中心部からのアクセスは良好で、ダウンタウンから列車とフェリーに乗るだけです。公園内にはいくつもの小道がありますが、私のお勧めコースはウエディングケーキ・ロック・トレイル(Wedding Cake Rock Trail)です。湿原に囲まれた絶壁の端に沿って走るこの道を歩けば、岩に寄せては砕ける荒波の音がずっと聴こえるはず。時間に余裕があるなら南のビーチの行けるところまで行ってみたり、あるいはさらに南まで足を伸ばしてみたりするのもいいでしょう。帰路はシェリー・ビーチ(Shelly Beach)に寄って、そこからさらに岬の北の端を目指しましょう。遠くの方にシドニーのビル群が望めるはずです。街に戻るフェリーの最終便に飛び乗る前に、湾に沈む夕日の眺めを拝むことも可能です。それはもう、絶景のひと言に尽きます。