もちろん、シドニーだって例外ではありません。
シドニーにある屋根付きの会場で毎週開催されているイヴリー・マーケット(Eveleigh Market)は私のお気に入り。場所はかつて鉄道車両の修理工場があった歴史的地区で、現在では活気ある文化拠点へと変貌を遂げています。このエリアには劇団のリハーサル室や劇場、アボリジナル・センター、アート・ギャラリー、カフェ、会議室などがあり、毎週行われるファーマーズ・マーケットには、開催時間が短いにも関わらず、たくさんの地元の人々が集まります。
毎週土曜日の朝になると、ニューサウスウェールズ州全体から60名以上の生産者や農業従事者が、多種多様な作物を携えて旧倉庫にやってきます。季節の果物や野菜、各種の食肉、乳製品や花、職人が焼いたパンなどを並べる伝統的な露店に加え、燻製の魚やオイル、上質なワインといった高級品も揃っています。お腹が空いているなら、ハンバーガーや卵とベーコンのサンドウィッチ、スープ、ラヴィオリ、スムージーなど、すべて厳格な基準の有機農産物を使ってその場で調理される料理も豊富にあります。ここに並ぶ品々は通常のスーパーで手に入る商品よりもうんと上質なので、その分価格も高いこともお伝えしておきましょう。
このマーケットの買い物客は、本物のユニークな品を求める若い人々が大半を占めています。
シドニーで活躍するトップクラスのシェフたちによる屋台もあり、果物や野菜はもちろん、新鮮なジュースやコーヒー、朝食を提供する屋台、アジアのフルーツなどニッチな食品を扱う店も並んでいます。ここは、人々との交流を楽しみながら買い物をするには最高の場所です。私がこの場所を気に入っているもう一つの理由は、フード系ジャーナリストやブロガーも訪れることが多く、時には撮影班とすれ違うこともあるからです。
以前、撮影スタッフが地元の果物販売者にインタビューしているのを見かけたことがあります。店主はこう話していました。「このマーケットに出店することで、新しくてエキゾチックで珍しい果物に強い興味を持つお客様と直接触れ合うことができます。味見をしてもらったり、フルーツの切り方を紹介したり、果肉や果皮を使ったヘルシーなドリンクの作り方を説明したりもできます。どんな質問にでも喜んでお答えしますよ。お客様と長話になることもしょっちゅうですし、どんなものを好み、このマーケットで何を求めているのかなど、学ぶことも多いですね。」
さて、オーストラリアで一番人気の高い果物は何だと思いますか?
私は、この国に来るまで見たことがなかったドリアンに特に興味を持ちました。
この果物には独特なにおいがありますが、非常に美味しいです。
果肉はとてもクリーミーで、そのまま食べても良いですし、アイスクリームやヨーグルトに加えるのもお勧めです。ドリアンの内側には種がありますが、ローストしたり表面を焼いたりしてナッツのように食べることができます。おそらく日本でも販売されているので、ご存知かもしれませんね。
ほかにも、ポポー(pawpaw)という面白い名前の一風変わった果物があります。別名カスタードアップル、北のバナナとも呼ばれます。
これはモクレンの仲間であるバンレイシ科の木の果実で、ネイティブ・アメリカンがよく常食していたフルーツの一つです。
オーストラリアでは、パパイヤやマンゴー、パッションフルーツ、メロン、バナナなどと並んで、一般的に食べられています。
オーストラリア人はジュースが大好きで、たいていの家庭にはジューサーがあります。
地元の人たちは日常的にジュースやスムージーを作りますし、野菜や果物の摂取量を考えると、オーストラリア人の食習慣はとても健康的だと感じます。
マンゴーとポポー