個人スペースについてニューヨーク市は摩天楼や観光名所、多民族社会で世界的に知られていますが、地元の人はここでの生活ペースにときどき圧倒されるので、あるべき平穏を当然求めています。セントラルパークは動物園やストロベリー・フィールズ(ジョン・レノンの記念碑がある広場)、湖など、数多くの観光スポットがある緑豊かなオアシスですが、観光客で大混雑している場合もあるので、私たち地元住民は緑のオアシスを他で探すことになります。のんびりと「孤独」を味わえる私のお気に入りの場所のひとつは、ブルックリン・ブリッジ・パークです。約2マイル(約3.2km)にわたって広がるニューヨーク屈指の新しい公園で、かつては荒廃した波止場でしたが公園に生まれ変わりました。
ワシントン・スクエア公園も市内で一番美しい公園のひとつで、ストリートアーティストや学生がよく訪れる素晴らしい場所です。園内にある白い大理石でできたワシントン・スクエア・アーチは待ち合わせ場所やランドマークになっていますが、午前中の公園はいつもすいていて、リラックスしたり、リフレッシュするには最適です。また、ハーレム南部に位置するモーニングサイド・パークはすぐそばにコロンビア大学があるため、平日はにぎやかですが週末はのどかです。
洗濯についてアメリカでは大半の町や都市の住民は、一戸建ての家に洗濯機と乾燥機を置いていますが、マンション暮らしの多い大都市では、通常、建物の各階に共用の洗濯機と乾燥機が設置されています。ところが、これはニューヨークには当てはまりません。多分、建物が老朽化していることや、階数がたくさんあって設置すべき洗濯機の数が多すぎることなどが理由でしょうが、本当のところは分かりません。ただ、早い話がニューヨーカーは家の外で洗濯しなければならず、これがそんなに楽なことではないのです。特に、雪の降る寒い冬の日や蒸し暑い夏の日に、汚れた服を抱えて歩き回るのは愉快なことではありません。まず、最寄りのコインランドリーまで出かけることになるわけですが、コインランドリーは通常、各ブロックに1軒あります。かごやカートに汚れた服をすべて詰め込んで、混雑する市内のストリートを突き進むはめになるのです。
しかも、ほとんどのランドリー施設(ランドロマット)にあるのはコイン式洗濯機(クォーター、つまり25セント硬貨しか使えない)なので、常に小銭を用意しなければならず、前もって忘れずに銀行に寄る必要があります。洗剤と柔軟剤は大抵その場で売っていますが、1回分のセットはすごく割高なので、自分の洗剤を持参するのが一番です。どんなコインランドリーにも複数のサイズの洗濯機が置いてあるので、洗濯物の量に応じて選ぶことができます。なお、残念ながらこうした場所では服を盗まれることもよくあるので(ほとんどの場所では監視カメラを設置しているのに)、家に戻ったり、用事を済ませたりせずに、その場に待機して洗濯が終わるのを待つのが一般的です。なんという時間のムダでしょう!しかし、私はニューヨーク初の「ランドリー・ビストロ」がつい最近オープンしたことを耳にしました。ここでは服の洗濯・乾燥を待つ間に、飲み物やピンボール、交流を楽しむことができます。中には利用者にWi-Fi環境を提供したり、マンハッタンのある施設のように、なんと「暇つぶし」に仕事ができる作業スペースを備えているランドリー施設もあります。皆さんご存知のとおり、時は金なりですからね!市内のいくつかのランドリー施設では、主婦や若い母親向けに毎週イベントを実施している所もあり、みんなで集まって、洗濯機を回している間に、語学やヨガのレッスンといったグループ活動に参加できるそうです。