• 2017.10.17
  • 9月11日の同時多発テロを忘れない
9月11日に発生した同時多発テロ後、グラウンド・ゼロと呼ばれるようになったワールドトレードセンターエリアはマンハッタン南部にあります。
恐らく世界中の誰もが知っていることだと思いますが、2001年9月11日、火曜日の朝、ハイジャックされた2機の航空機がツインタワーに激突、ビルはその数時間後に倒壊し、約3,000人の命が奪われました。この日のテロ攻撃で2つのメインタワーに加え、それを取り囲む5つのビルも崩壊しました。



しかし、現在ではグラウンド・ゼロという呼び名はもはや意味を成しません。このエリアは十分に復興が進み、ワールドトレードセンターの新しい超高層ビル群が建ち並んでいるからです。
テロ攻撃からちょうど10年後にあたる2011年9月11日、慰霊碑「9/11メモリアル」が一般公開されました。9/11メモリアルのデザインは国際コンペによって選ばれたもので、長期間の選考過程を経て、アラド氏とウォーカー氏の建築プロジェクトが承認されました。「不在の反映」と名付けられたこのプロジェクトによって、ツインタワー跡地には400本の樹木から成る林に囲まれた2つの巨大なプールが建設されました。
水が流れ落ちる滝状の2つのプールの周りの金属板には、この悲劇の日にここにあったビルや、他の場所でテロ攻撃に遭った犠牲者とともに、より以前の1993年のワールドトレードセンター襲撃テロの犠牲者の名前も刻まれています。





敷地内にはたくさんの木が植えられていますが、とても重要な木が1本あります。それは「サバイバー・ツリー(生還の木)」です。 この木は、かつてツインタワーの前にあった緑化エリアに植えられていたもので、テロ攻撃の日に瀕死の状態となりましたが、奇跡的になんとか生き残りました。その後まず、治療を受けるため温室に移設されました。そして、数年後に元の場所へ帰ってきましたが、悲劇の日の痕跡や傷跡は今も消えずに残っています。この木はニューヨーカーにとって特別な意味があります。ニューヨーク市の新たなシンボルであり、希望と復興の象徴なのです。



現在、ワールドトレードセンターエリア内には博物館があり、3つのパートに分かれています。まずメインの建物に入ると、通路があって、テロ攻撃の日の出来事やニューヨークとそれ以外の全世界に与えた影響について詳しく学べるようになっています。館内には、他人を救うために命を落とした300人を超える救助隊員をはじめ、テロ攻撃の日に犠牲となったすべての人々に捧げる常設展示もあります。
2006年にオープンした9/11トリビュート ミュージアムには、写真を展示しているギャラリーと、グラウンド・ゼロの周辺を歩くガイド付きツアーが用意されています。
このミュージアムの目的は、生存者や応急手当を施したボランティア、犠牲者の家族など、この悲劇の瞬間を体験した人々を通して、テロ攻撃の日の出来事を事実に即して解説することにあります。彼らの中には実際にガイド付きツアーを実施する人もいれば、ギャラリー内で物品や写真を保管したり、 メモリアルで悲劇的事件の証言を独自に行う人もいます。見学内容は思い出だけに偏ったものではなく、復興というテーマを取り上げて、ニューヨークの再生力や前に進む力を強調するものとなっています。





ワン・ワールドトレードセンターは今、ニューヨークで最も高い超高層ビルで1,776フィート、541mの高さを誇ります。建設期間中はもともとフリーダムタワーと呼ばれていました。現在は100~102階にある展望台まで昇ることができ、マンハッタン南部の美しい景色を堪能することができます。

特派員

  • クラウディア・ ディアス
  • 職業ニューヨーク大学教授

私は、ニューヨーク大学でスペイン文学と演劇の教授をしていますが、もともとはカリフォルニア出身です。余暇には長い時間散歩をするのが好きです。ニューヨークでは常になにか新しいものをあちこちで見つけることができるので、それが本当に大好きです。この街のお気に入りの季節は秋です。秋にはセントラル・パークの紅葉が素晴らしく、私の大好きなハロウィーンもあるからです。
私のブログを通してみなさんにニューヨーク市と、私の住むブルックリンに興味を持っていただきたいと思います。また、ここに住む人間の目から見たビッグアップルについての新たな視点を紹介したいと思います。

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