• 2019.02.22
  • 音楽の殿堂
ニューヨークシティのラジオシティ・ミュージックホールは、ザ・ショープレイス・オブ・ザ・ ネイションという呼び名の方がよく知られていますが、ここは市内そして国内でも屈指の有名かつ象徴的劇場で、マンハッタンにある格式高いロックフェラーセンターの敷地内にあります。
1930年代のオープン当時は世界最大の屋内劇場とみなされていました。

ライザ・ミネリ、エラ・フィッツジェラルド、ピンク・フロイド、そしてもっと最近ではレディー・ガガなど、数多くの偉大なスターがステージに登場してきました。赤と金の鮮やかな色合いが特徴的な内装には、劇場が入っているビルのアールデコスタイルがふんだんに盛り込まれています。

1920年代に株式市場が大暴落した後、市内で不景気に陥った地区にかなりの広さの土地を所有していたロックフェラー・ジュニアは、大胆にもここに一連の商業ビルを建設することを決意しました。
この偉大なプロジェクトの資金を調達するために、ロックフェラーはラジオコーポレーション・オブ・アメリカとプロデューサーのロサフェルという2組のとっておきのメンバーを見いだし、3者はタッグを組んで、後に市内で最もアイコニックな劇場となるラジオシティ・ミュージックホールを竣工しました。

90年代の終わりには、格式あるこの劇場を訪れた人の数はすでに3億人を突破していましたが、大規模な改装を行うことでかつての美しい姿をよみがえらせました。
劇場の最大収容人数は6千人で、世界最大の金色の緞帳によってグレート・ステージと客席は仕切られています。
ラジオシティ・ミュージックホールへショーを見に行くと、1930年代の雰囲気にどっぷり浸っているような気分になります。それは内装のせいばかりでなく、オープン当初のスピリットを反映したショーが多いためです。

これまでも音楽の歴史を作ったアーティストのコンサート、素晴らしいミュージカル、演劇、毎年恒例のクリスマス・スペクタキュラーや伝説のロケッツのショーなどの舞台となってきましたが、いまもその役割を果たし続けています。
ここ数年は、この劇場専用に制作されたシルク・ドゥ・ソレイユのショーも上演されています。


ラジオシティ・ミュージックホール・ステージ・ドア・ツアーはユニークかつ必見の体験を提供するツアーで、参加者は世界屈指の有名な劇場の舞台裏の様子を見学し、秘密を探ることができます。

ツアーではガイドが劇場の概要はもちろん、誕生と素晴らしい成功についても詳しく説明してくれます。グレート・ステージを細部にわたって観察したり、エレベーターに乗ってフランク・シナトラ、マイケル・ジャクソン、マドンナなどのアーティストが利用した更衣室を備えた劇場のプライベートエリアへ行ってみたりすることもできます。

また、今はイベント専用地となっている、かつての豪華絢爛なプライベートアパートメントを見ることもできます。

舞台裏には1999年のミートローフのサイン入りギターや、有名なショーのビルボード、ロケッツのダンサーのオリジナルコスチュームなど、象徴的なアイテムやポスターも展示されています。
プライベートな映写室ではラジオシティ・ミュージックホールの歴史をクローズアップしたショートフィルムを、1932年と刻まれた劇場オリジナルの肘掛け椅子に座って観賞することもできます。


ロケッツについて
1925年に結成された驚異のダンスカンパニーで、1回のショーは36人で構成されています。ラジオシティ・ミュージックホールで定期的に公演し、半世紀以上にわたってこの劇場、そしてニューヨークシティのシンボルであり続けています。
ロケッツのプロダンサーは正確無比な動きを求められるため、厳しい稽古を積み重ねています。
クリスマスシーズンには毎日5公演を週7日こなしています。

どうぞお見逃しなく!


以下に写真を掲載します。

特派員

  • クラウディア・ ディアス
  • 職業ニューヨーク大学教授

私は、ニューヨーク大学でスペイン文学と演劇の教授をしていますが、もともとはカリフォルニア出身です。余暇には長い時間散歩をするのが好きです。ニューヨークでは常になにか新しいものをあちこちで見つけることができるので、それが本当に大好きです。この街のお気に入りの季節は秋です。秋にはセントラル・パークの紅葉が素晴らしく、私の大好きなハロウィーンもあるからです。
私のブログを通してみなさんにニューヨーク市と、私の住むブルックリンに興味を持っていただきたいと思います。また、ここに住む人間の目から見たビッグアップルについての新たな視点を紹介したいと思います。

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