フィリピン出身の友達とアグラに行き、世界屈指の名所、タージ・マハルを見てきました。厳かな気持ちに浸りながら、丸1日、最高傑作といわれる美しい霊廟を見学しました。タージ・マハルが世界一美しい霊廟のひとつといわれる理由は、なんといっても芸術的な大理石象嵌細工です。私たちは素晴らしい大理石象嵌細工を扱う工房を市内で見つけたので、のぞいてみることにしました。
タージ・マハルのすぐそばに、大理石の彫刻や象嵌細工の工房が軒を連ねるストリートがあります。こうした工房のオーナーは、タージ・マハルを建造した一族の血を引いています。
石細工:
工房内に入ると、前方には職人が座っていて、手間暇をかけて貴石を細かくカットしたり、成形したりしていました。半貴石は大理石に精緻な模様を装飾するのに使われます。装飾用の半貴石にはラピスラズリ、マラカイト、タイガーアイ、ソーダライト、アメジスト、グリーンストーン、ホワイトストーンなどがあります。
作業工程としては、大理石に模様を彫刻したら、好きな形に石を削り始めます。その後、タージ・マハルの建造でも用いられた秘伝の接着剤を使用して、大理石象嵌細工のデザインを形成していきます。
実質的に、思いつくあらゆるものをこの大理石で彩ることができます。工房ではチェス盤からダイニングテーブルや美しい宝石箱、花瓶にまで装飾が施されていました。貴重な大理石や石を使用し、仕上げるまでに大変な労力をかけているだけあって、どれも高価です。
こうした職人がどのようにして何百年間も一族の伝統を受け継ぎ、今に至るのか知ることができるのは素晴らしいことです。彼らが正真正銘の由緒正しい製品を作り続けているおかげで、私たちみたいな観光客も、タージ・マハルと同じ技法で作られた小物を手に入れることができるのです。今回の旅の思い出に、私は友達と小さな宝石箱を買いました。