ロンドンは多民族的で、色彩豊かで、フレンドリーで、多種多様で、陽気です。
国際色豊かな食べ物やエスニック料理の殿堂であるこの街では、最高の味を楽しめます。
ファーマーズマーケットはこうした幅広い料理が一堂に集まる屋外マーケットで、できれば最も素朴なスタイル(今ではとてもおしゃれですが)のストリートフードで味わいたい、いろんな種類のおいしいものにめぐり会えます。
地下鉄の駅の階段に座り、さまざまな料理を手づかみで食べることこそ、ロンドンのマーケットを体感する正しい方法なのです。
かつてのファーマーズマーケットは野菜や果物、チーズを買ったら、お客がすぐに立ち去ってしまうような地味な場所でした。
現在これらのマーケットは平日に同僚と、あるいは週末に友達と食事をするためのとてもおしゃれな場所になっています。
この辺りで最大のファーマーズマーケットはロンドン橋のそばにあるバラ・マーケットです。
このマーケットは世界的によく知られているグルメマーケットで、質のいいイギリス製品を買えるのですが、近年はジューシーなグルメバーガーや新鮮なカキ、焼きたてパン、ふわふわのカップケーキなども販売するようになったので、ここにあるおいしいものをすべてリストアップしようとしたら何時間もかかってしまいそうです。
バラ・マーケットは変わりゆくロンドンの人口動態に適応し、毎年、数多くやって来る新たな移住者を迎え入れ、ビーガニズムや健康志向の食事といったそれまでになかった料理のトレンドを取り入れてきました。
マーケットでは挽肉の詰まった伝統的なイギリスパイも相変わらず売っていますが、地元の人の多くがここへ足を運ぶのは、イスラエルのハルミチーズのサンドイッチやスペインのパエリアを食べるためです。もちろん、これらはほんの一例ですけどね。
この他の人気のあるファーマーズマーケットのひとつはブリクストンビレッジにあります。
ほんの数年前までブリクストンはとても危険で怪しげなエリアでしたが、今では危険にさらされているのはお腹だけです。ここには試してみたいおいしいものが、あまりにもたくさんそろっていますからね!
アフリカ文化の中心地となっているブリクストンは最高品質のプランテン(料理用バナナ)の販売拠点であるとともに、レゲエファンにおすすめの場所でもあります。
ファーマーズマーケットは日曜日に開催される地元食材のパラダイスです。
ブリクストンビレッジで味わえるヨーロッパ、アジア、アフリカ、カリブ海の料理は安いですが、満足すること請け合いです。
カナリー・ワーフの近くにあるビリングスゲート・マーケットはイギリスで最も重要な魚市場で、選りすぐりの最高の魚介や甲殻類が沿岸各地から毎日届きます。この屋内マーケットでは40の取引業者が日々競い合って、新鮮な魚介を地元のレストランや得意客に分け隔てなく販売しています。マーケットがオープンするのは朝の6時ですが、地元客の大半は8時頃に現れ、午前11時を過ぎると質のいい魚を買うことは難しくなります。
最後にひとつ重要なことを付け加えると、多くのロンドナーいわく、ストリートフードを食べに行くならブリック・レーン・マーケットなのだそうです。
その昔、ブリック・レーンの通りは切り裂きジャックによる陰気な殺人事件の舞台となりましたが、現在では国外居住者の最大規模のコミュニティの拠点となっていて、日曜日のブランチにぴったりの場所でもあります。
たくさんの壁画やストリートアート作品に囲まれたこの場所にあるのは、混沌とした新しいマーケットで、ベーグルやソーセージを食べたり、中古のレザージャケットやアール・デコの家具をバーゲン価格で買ったりすることができます。
バングラデシュ人やインド人のコミュニティがあるため、とびきりおいしいカレーレストランがあることで有名なエリアですが、マーケット内にも同じくらい素晴らしい食べ物の屋台があって、カレー、日本のお好み焼き、ポーランドのパンケーキ、多種多様なエスニック料理を販売しています。
週末においしいブランチを楽しむためにこのエリアを訪れるなら、そばにあるコロンビア・ロード・フラワー・マーケットを外すわけにはいきません。素敵な香りに包まれた楽しいマーケットなので、なにかの種や昔ながらのイギリスのティーポットを買ってから帰宅することになるはずですよ。