• 2018.02.15
  • ファッション表現の首都
ロンドンのような街について何か話そうとすれば、やはりテーマは最新のファッション事情やライフスタイルへの影響といったことになります。ロンドンは新しいトレンドの生まれる街、今も昔も新しいトレンドを仕掛ける人たちの街なのです。

これまでもヨーロッパ経済の首都、世界の技術の中心地、さまざまなベンチャー企業が羽ばたいていった街などと呼ばれてきましたが、今はファッション分野での人気が急上昇中です。
実際、ファッションは勢いのある成長分野の一つで、毎年何千人ものプロフェッショナルたちを集めています。
ロンドン・ファッション・ウィークの人気も高まる一方で、ファッションを専門に学ぶ学校があること、そのそれぞれが世界的に有名なファッションデザイナーを迎えることで、世界に誇る最新ファッションの発信地へと変貌を遂げようとしています。

ロンドン・ファッション・ウィークは1984年以来、毎年2月と9月に開催され、今では高い関心の的となっていますが、ファッション業界で誰もが注目するイベントとなったのは最近になってからです。
このイベントは英国ファッション協議会が、ロンドン開発公社、ビジネス省とともに開催しているもので、イベントの他にワークショップも主催するなどして、ロンドン発のファッション表現を世界に広める役割を果たしています。
ロンドンのファッション・ウィークは、ミラノ、パリ、ニューヨークで開催されるものと合わせて、世界四大コレクションの一つとされています。
世界中の投資家が注目する大規模なイベントで(毎年4,000万ポンドを超える取引高)、新しいテクノロジーという観点からも最重要とされる都市で開催されるファッション・ウィークは超一流の社交イベントで、ブロガーたちも世界中から駆けつけます。
参加人数で言うと、25万人を集めるロンドンを上回るのは、80万人を集める眠らない街ニューヨークと、30万人を集めるロマンスの都パリぐらいで、ミラノはすでに追い抜きました。

ロンドンのファッションは、スタイルを求める人たちに分析、刺激のきっかけを与えています。
実際、クイーン・エリザベスの街では、どの地域に足を運んでも、どの通りを歩いても、ファッションを目にします。
そしてそれぞれのエリアにそれぞれの特色があることが分かります。
ロンドンでは、特にビジネス街ではダブルのコートを着た男性を見かけることも珍しくありません。高級な衣類や靴はロンドンのいたるところで目にしますが、この街はトレンドの仕掛け人たちの街であり、皆さんご存じのとおり、パンクスタイルやミニスカートが最初に流行した街でもあります。


ロンドンのビジネス街

ポートベロー通りとノッティング・ヒルの辺りでは、高級品は影を潜めてカリビアンスタイルが加味されたパンクロックなテイストが多く見られるようになりました。街で感じる文化の混在がそのままファッションになったかのようです。
実際、この近辺ではフリーマーケットや中古品を扱うお店がたくさん見られます。
ベルベット・アンダーグラウンドやザ・フーのような当時の既成概念を打ち壊したバンドの影響もあって、パンクは60年代後半のアメリカで生まれたと言われます。破れたTシャツにレザージャケットを着て、髪の毛を剃りあげ、てっぺんを逆立てるのです。
しかし実際はヨーロッパ、もっと正確に言うとイギリスが発祥の地です。70年代前半に常識破りのデザイナー、ヴィヴィアン・ウェストウッドが登場し、彼女たちがキングスロード430番地にオープンしたブティックを火付け役として、スタイルに関する真の革命が起きたのです。
ロンドンはやがて世界のパンクの首都となります。職に就けず、反逆を夢見る若者たちの失意が沸点に達そうとしていました。


時代の先端を行く店が並ぶ通り


ロンドンのパンクスタイル

ロンドンは新しいトレンドの中心地、新しいスタイルが生まれる街なのです。

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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