• 2018.06.07
  • モダンなロンドン:ザ・シャード
イタリアの「天才」を少しは世界に知らしめた超高層ビルについてお話しできるときがついにやって来ました。ザ・シャード(破片)と呼ばれるこのタワーは有名建築家のレンゾ・ピアノによって設計されました。
高さ310mの87階建てで、2012年(竣工した年)から西ヨーロッパで最も高いビルとなっています。
ちょうどロンドン・オリンピックが始まる数カ月前の2012年7月に落成式が行われました。
不規則な三角型の全面ガラス張りのビルです。
ロンドンで一番とまでは言えないかもしれませんが、見事な景色だと思います。
ビルに登るといろんな感情があふれてきます。というのも、高速エレベーター(最大秒速6m)に乗るところから体験は始まっていて、エレベータ内のスクリーンには上昇する風景が映し出され、周囲の壁がなくなったような気分にさせられるのです。
数秒後にドアが開くと、眼下にロンドン市内を360度見渡せるように設計された巨大な窓に四方を囲まれたフロアが広がっていて、自由に見て回ることができます。
正直に白状すると最初の数分間はちょっとクラクラしましたが、景色のすごさに圧倒されているうちに、めまいはすぐに消えてしまいました。
このフロアからは短い階段が伸びていて、もうひとつ上の展望エリアに行くことができます。下の展望エリアとの違いは、一部の窓ガラスや屋根がなくなっており、晴れた日にはデッキチェアーを外に出してくつろげることです。


下から見上げたザ・シャード

それではここで、ザ・シャードに関する面白い話をご紹介したいと思います。
この超高層ビルの建設中、72階でキツネが目撃されたという話を読んだことがあります。建設作業員が置いていった食べ物や水のおかげで、なんとか生きのびていたと考えられています。
ザ・シャードは革新的なその形状から名付けられました。
31階には、典型的なイギリス料理を革新的にアレンジしたメニューを提供するアクア・シャードというおしゃれなレストランがあります。また、32階にはシェフのベッカー氏が考案した、洗練された都会的なランチメニューが楽しめるオブリックスがあります。このレストランのメニューはすべて焼き串を使った炭火焼き料理で、薪オーブンで調理されています。肉から魚まで、誰もが好みの一品に出会えます。
35階にはバーや中華レストランまであります。
ロンドンの上空135mにあるこの夢のようなレストランでは、アジアンテイストを取り入れたモダンヨーロッパ料理を提供しています。
ザ・シャードで雲を枕に眠ってみたくなったら、趣向を凝らした豪華なシャングリ・ラ・ホテルもあります。ロンドンのど真ん中の息をのむような景色が堪能できるのはいうまでもありません。
今はハリー王子とメーガン・マークルさんのロイヤルウェディングを間近に控えた時期なので、ホテルではセレモニーを祝して特別なアフタヌーンティーセットを用意しています。
ザ・シャードではプライベートなイベントやセレモニーも数多く開催されていて、会社のイベント、結婚式、資金集めのパーティー向けに場所を借りることもできます(超高額ですけど)。
この有名な超高層ビルは、ロンドン・ブリッジに隣接するサザーク・ロンドン自治区では、シャード・ロンドン・ブリッジ、シャード・オブ・グラス、32ロンドン・ブリッジ、ザ・シャードという4つの名前で知られています。
建設費用は約4億ポンド(約600億円)といわれていますが、ビル内のレストランや展望台チケットの値上がりのおかげですぐに回収できるとみられています。
毎年、何百万人もの観光客が景色を眺めにやってきますからね。


ザ・シャードからの眺め

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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