「旧大陸の娯楽スポット」を名乗るこの街では、ユニークな食体験が人気急上昇中です。
ロンドンに住んでいると身に付くことのひとつに、風変わりなものにあまり注意を払わなくなるということがあります。と言うより、とにかくしばらく暮らしているうちに、そういうものを気にとめることさえなくなっていきます。
そして、たとえ下着姿で地下鉄に乗る人たちが現れても、もはや動じるようなこともほとんどなくなるので、驚くことといえば、奇抜さやユニークな特徴によってお客や旅行者を惹きつける、「風変わりな」ことを売りにするレストランを見つけたときぐらいということになるのかもしれません。
普通のレストランでのお決まりのディナーにちょっとうんざりしているとか、初デートで相手をあっと言わせてみたいような場合には、こういう風変わりなレストランを考慮に入れるのもいいのではないでしょうか。
風変わりといってもそれほど極端なものではありませんよ。結局のところ、私たちロンドン市民が期待するのは意外性のあるものなのです。
ダン・ル・ノワールは私が実際に行ってみたレストランのひとつです。
ここでは意外性のあるユニークな体験を提供しています。
レストラン運営のほとんどを担うのは目が不自由な人たちで、ダイニングルームに入ると、彼らが感じているのと同じ真っ暗な部屋を体験できるようになっていて、そこはもう完全に暗闇の世界です。
どんな料理が出てきたのか、「ゲーム」感覚で予想することになるわけですが、メニューの種類はあらかじめ選ぶことができます。例えば、緑のメニューはベジタリアンメニュー、青のメニューは魚、赤のメニューは肉、白のメニューはおまかせといった具合です!
暗闇ディナーを提供するダン・ル・ノワール
また、ザラストロという小さなオペラハウスを模したレストランでは食事をしながら生演奏が楽しめます。緞帳、舞台セット、個室風のボックス席を備えたゴージャスな雰囲気の中で提供されるメニューは地中海料理です。
ここにはドラマ、情熱、情緒を全面的に押し出した、色彩豊かな劇場のような世界が凝縮されているので、きっと忘れられない体験となるはずです。
お客様を喜ばせ、目を楽しませ、心を虜にするセンスが感じられるテーマレストランです。
チェルシー地区の中心には、花を買い、牡蛎を食べ、シャンパンを飲めるビバンダムというとても洗練されたレストランがあります。
かつてミシュランのタイヤ工場があったビルに入っているのですが、とにかく美しい建物で国定記念物に指定されたほどです。
ここはミシュランタイヤがイギリスで最初にオープンした常設本部でした。
レストランでは最高級のシーフードや、一流の食材を使用したクラシックなメニューを提供しています。
元タイヤ工場のビルにあるビバンダム
ドゥードゥル・バーには国際色豊かな手作りメニューがそろっていて、生地を発酵させ薪釜で焼き上げたピザから、ケバブや牛肉パティまで何でもあります。
このバーでは、シルクスクリーンのワークショップ、子供向けのアクティビティ、グラフィティのレッスンなど、文化的活動を常に提供しています。
芸術やその他のクリエイティブなイノベーションイベントのための多目的スペースになっているので、自分のアイデアや体験を表現することもできます。
友達と外食するか、それとも外見をイメージチェンジするかで迷っていたら、ケンブリッジ・ヒース界隈にあるフルヴォンデキを選べば迷う必要がなくなります。レストランとヘアサロンを併設してサービスを提供するロンドン唯一のレストランなんですよ。
ですから、美味しい韓国料理を食べに行きたいけど、最新のヘアスタイルも試してみたいという場合にはここに来るのが正解です。鍋の中に髪の毛が入ってたなんてことがないことを祈っています。
レストラン兼ヘアサロン、フルヴォンデキ
サーカスはコヴェント・ガーデンにあるレストランで、名前から見当がつくかと思いますが、食体験とサーカステントが融合した空間です。
アジア料理を楽しみながら、ダンサー、軽業師、火吹き芸人、綱渡り師の芸を観賞できるナイトクラブになっています。
シュールでエレガントな内装が、魅惑と娯楽に満ちたデカダンス的な世界へゲストをいざないます。
料理の美味しさにも定評のあるレストランですが、何より有名なのは、食事が終わるとテーブルが火吹き芸人や手品師、宙返り用の舞台に早変わりし、デザートが来るまでの間に、軽業師が宙返りをしたり、頭上を飛び越えたりする様子を眺められることです。