• 2018.11.07
  • 衛兵・騎兵の交代式とキーセレモニー
ロイヤルファミリーがロンドン、もっと正確に言えばバッキンガム宮殿で(大部分の時間を)暮らしていることは誰でも知っています。
バッキンガム宮殿の衛兵交代式はとても示唆に富んだセレモニーで、4月~8月は毎日午前11時半頃、秋から冬にかけては1日おきに行われています。
衛兵交代式の時間になると、ロイヤルファミリー(在宅している場合)と宮殿を警護するために、ウェリントン兵舎から女王の所有する馬に乗った近衛騎兵隊もホースガーズの持ち場へやって来るので、歩兵隊の交代式と同時刻にバッキンガム宮殿の前を通過することになります。
宮殿の警備にあたるのは、熊の毛皮でできたコートと赤いジャケットで有名なロンドンの衛兵交代式の衣装に身を包んだスコッツガーズ隊、コールドストリーム隊、グレナディア隊、アイリッシュガーズ隊、ウェルッシュガーズ隊から成る5つの近衛歩兵連隊です。
騎兵隊はライフ・ガーズ(赤と白を基調とした軍服を着用)とブルー・ロイヤル・ガーズ(青と白を基調とした軍服を着用)という2つの連隊で構成されています。
交代式では、国歌の『God Save the Queen(神よ女王を守り給え)』が演奏されます。
歩兵隊を入れ替える衛兵交代式は大雨の日を除いて、宮殿前と後方の2カ所で行われています。
一方、騎兵交代式はホワイトホールに面したホース・ガーズ・パレードで行われ、シフト交替の時間になると馬に乗った12人の新騎兵隊がハイドパークの兵舎からやって来ます。
ロイヤル・ミューズ(王室厩舎)はバッキンガム宮殿の公園の南端にあり、一般公開もされています。
かつてイギリスの王室関係者や貴族に利用され、今でも特別な日に用いられるさまざまな種類の馬車が展示されています。
ここでは馬も飼育されていますが、常にいるわけではありません。
注目に値するのは、現在は戴冠式でのみ使用されているジョージ3世のために造られた金ピカの馬車と、現在は王室メンバーの結婚式でのみ使用されている(ウィリアム王子とケイト妃、ヘンリー王子とメーガン妃がロイヤルウェディングで使用)ジョージ5世が購入したガラスの馬車です。
女王のお出かけに使われるモダンなロールスロイス、ベントレー、ジャガーも見ることができます。
イギリスの軍事パレードや伝統が好きな人におすすめなのは、ビーティング・リトリートのセレモニーに見られるような最高に美しいパレードです。馬に乗った騎兵、楽隊、ドラム隊、バグパイプ隊によるパレードが3晩にわたって繰り広げられます。
女王の公式誕生日には、交代式、楽隊を伴ったホースパレード、曲芸師のチームと騎兵隊の合同パレードに加え、セレモニーに参加するために愛国心の強いイギリス人が総出で、バッキンガム宮殿と市の中心地をつなぐ大通り、ザ・マルを歩く姿をまとめて眺めることができます。


バッキンガム宮殿と衛兵

それ以外にロンドンで行われている重要な王室行事としては、ロンドン塔の守衛(ヨーマン・ウォーダーと呼ばれている)が執り行うキーセレモニーがあります。昔ながらのチューダー朝の衣装をまとった守衛が、公式に正門の鍵を閉め、そこにいる番兵に女王の鍵を手渡します。 守衛が番兵と会話する場面もあって、最後はエリザベス女王への祝福で締めくくられます。
この厳かな儀式は700年間も毎晩繰り返されています。式を見学するのは無料ですが、書面での予約が必要です。
とにかくとても示唆に富んだ儀式なので、観光客に大人気ですが、ロンドナーだって少なくとも一生に1度は見に行っているはずです。


ロンドン塔のキーセレモニー

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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