これから私が参加したツアーについてご紹介するので、ぜひ「バーチャル」ツアーを楽しんでくださいね。
『ドクター・フー』はイギリス史上屈指の長寿SFテレビドラマシリーズで、世界的にも有名です。放送が始まったのは1964年で、膨大なシーズン数と、主人公の「ドクター」役の代替わりによるバラエティ豊かなシリーズを誇っています。
この10年でテレビシリーズがまた始まり、新たな俳優がキャストとして登場しました。
ドクター・フー・ロンドン・ウォーキングツアーでは、印象的なシーンを撮影した20カ所以上のロケ地を知識豊かなガイドとめぐり、シリーズへの好奇心を深めたり、キャストや番組の歴史の裏話を聴いたり、「ドクター」が歴史的バトルを繰り広げた場所(サイバーマン、そしてもちろんダーレクと戦った場所など)を見学したりします。
「非常にオタク的な」ファンにとっては、裏話やよく知られていない話をイギリスの首都で知るまたとないチャンスです。
でも、誰もがドクター・フーのファンというわけではありませんよね...。
私はここ数年、切り裂きジャックツアーにずっと参加したいと思っていました。と言うのも、この歴史的事件にはすごく興味がありますし、事件についての映画やテレビシリーズを数多く見てきたからです。
そして、ついに参加してみたところ、内容にも担当してくれたガイドにもとても満足しました。
ガイドは、事件のあらゆる証拠や資料が保管されているロンドン市警察博物館でボランティアをしていて、ここで研究もしていたそうなので、切り裂きジャック事件を最もよく知る人物と言っても過言ではありません。
ツアーはロンドン市警察博物館からスタートしました。小規模ですが、ロンドン市警察の誕生から今日に至るまでの歴史を伝える、ありとあらゆる記録や物品が詰め込まれています。婦人参政権論者が初めて製造した焼夷弾や、1世紀にわたり没収されてきた不適切な武器のコレクションなど、一見しただけでは分かりませんが、語られるべき興味深い背景を持つもの(それを語れるのはガイドだけ)がたくさんありました。
でも、本質を見失ってはいけないですよね…。この博物館が何よりすごいのは、被害者の写真やジャックが警察に送った有名な地獄からの手紙など、切り裂きジャック事件のオリジナルの書類や証拠が保管されていることです。
展示されているのはあくまでコピーで、オリジナルは博物館のアーカイブに鍵を掛けて収納されています。ロンドン市警察博物館は、この事件に関心がある人にとってはすごく興味深い必見の場所ですが、簡単には入れません。
そもそも自由に一般公開されているわけではないので、必ず博物館でボランティアをしている人に同伴してもらわなければなりません。
ツアーではこの後、イーストエンドのストリートを散策しました。19世紀後半のロンドンのスラム街の雰囲気を残している数少ない場所のひとつです。
狭い路地や中庭、隠し通路などの一角には、謎多き殺人犯の被害者数名が殺される直前まで酔っ払っていたブリック・レーンのパブや、パブ「テン・ベルズ」があり、今なお営業を続けています。
犯罪現場の多くはもはや存在せず、ストリートも建物も完全に変わってしまっていますが、ロンドンの暗黒時代の雰囲気に浸りながら、この街に関するたくさんのストーリーと好奇心で胸を膨らませることができますよ。
ドクター・フーと切り裂きジャックの街、ロンドン