散策の理由は他にも、もう一つ。そう、夏が来ています!…この国の夏はそんなに長くありません。
国内の企業がパンデミックのピークを(うまく行けば)乗り越えて、なんとか通常の活動に戻ろうとしているのは事実です。けれどもロンドンのなかで最も賑やかで人の多いエリアから流れてくる画像を見ると不安は募るばかりで、私は個人的にはそういった場所に行けなくて残念がるより安全でいるほうを望みます。
ソーホーなどロンドンの夜の街では、感染防止のルールを守らなければならないことを気にかけていないように見えます。実際のところ、ほとんど誰もマスクをつけたり、適切なソーシャルディスタンスを守ったりしていません。一方で、街から一歩出ると、人々はもっとルールを守っているようです。人のはるかに少ない郊外のほうが感染リスクもいくぶん低くなるみたいなので不思議な気がします。
とはいえ私にとって重要なのは、ロンドン郊外でかつ街の中心からさほど離れていない、あまり混んでいない場所をまだ探せるかどうかです。
たとえばロンドンで素敵な写真が撮れて夏の数時間を楽しめる場所なら、ラベンダー畑がお勧めです。
絶景の写真が撮れてラベンダーの花の強い香りを満喫できる名所です。
ロンドン郊外のラベンダー畑はコッツォルド・ヒルズやケントにも多数ありますが、ロンドンから最も近いところだと電車で楽に行けるノース・サリー・ヒルズです。
ノース・サリー・ヒルズのラベンダー畑は昨年訪れましたが、現地で写真に撮れる最も有名なシーンは、素晴らしいパノラマ風景をバックに紫の花々に囲まれた昔ながらのイギリスの電話ボックス(意図的にその場に置かれていました)の姿です。
ラベンダー畑は通常、6月から花が咲いている期間中ずっと、聞いたところでは9月ごろまで営業しているそうです。
実際、ラベンダーは6月半ばから咲き始め、7月から8月にかけて花の最盛期を迎えます。
おそらくヨーロッパの他の地域と同様にこの地域では自生しておらず、個人経営の農場で栽培されているので、オーナーがラベンダー畑を開放することになります。
花の開花は天候にも大きく左右されますから、訪ねる前にぜひ確認をお忘れなく。
最盛期になると週末はとても込み合うことがありますので、一週間前には計画を立てておくことをお勧めします。
メイフェアと呼ばれるこの素敵な農場には癒しと休息のコーナーも用意されています。土産物ショップでは、さまざまなお土産品やラベンダーを使った製品はもちろんのこと、名産品では農場こだわりのサイダーも販売されています。
近隣には、ラベンダーの花の用途や特色について説明するごく短時間の企画ツアーにくわえて、ミツバチと巣箱を見て回る養蜂場見学ツアーを開催している農場があります。
こちらを訪ねた折、ラベンダー、特にエッセンシャルオイルにはすぐれた癒し効果があることを知りました。
オイルを数滴塗ると、日焼けや虫刺され、皮膚の炎症に効果があります。また、筋肉をリラックスさせるのには軟膏が非常に効果的ですし、バスソルトと混ぜて疲労回復用のフットバスにも使われたりして、 ラベンダーはマッサージにもよく利用されています。
エッセンシャルオイルはストレスや緊張からくる頭痛には驚くべき効能があり、ほんの1~2滴こめかみに塗りつけるだけで十分です。すぐに効果が現れるはずです。
ラベンダー畑