初めてなのに行くとすぐに落ち着ける場所ってありますよね。息をのむような美しい風景、海を見渡す断崖、穏やかで落ち着いた佇まいの小さな漁村。
コーンウォールで出会ったのはそんな景色でした。大西洋沿いに細長く伸びるイギリス南西部の半島の地、コーンウォールはまさに楽園です!
この地方にはさまざまな楽しみがあります。何時間も自然の美しさに見とれ、雲のかたちを眺めて空想する超ロマンチストの人や、高校の英文学の授業で習った小説に出てくる、海を見下ろす崖が気に入った人、大自然に魅せられてとりこになった人、落ち着いた佇まいの村や青々と広がる草原、そしてたくさんの小さな港での散策を楽しみたい人、あるいはアーサー王と円卓の騎士の伝説のファンでもっといろいろ知りたい人、それから私のような地元の名物料理コーニッシュ・パスティに目がない人、そんな人たちにぴったりの場所なのです!
潮が引いたコーンウォール
まずはプリマスへ。「アーサー王と円卓の騎士」の伝説の地にすぐ向かいましょう。
ここプリマスの港から、ピルグリム・ファーザーズと呼ばれる清教徒の一派がメイフラワー号に乗って新たな世界を発見する旅に出ました。現在はイギリスの海軍や海事の歴史を最も楽しめる場所になっています。
その海の歴史の雰囲気を一番感じられるのがバービカンで、プリマスからほど近いとても賑やかなこのエリアには、漁港や停泊中の船を眼下に見下ろし木造の家々やチューダー様式(15世紀末頃から17世紀初頭までのイングランドの建築様式)の建物が立ち並んでいます。
夕方になると、色とりどりのパブでは美味しいフィッシュアンドチップス、パスティやビールが楽しめ、今は比較的落ち着いた雰囲気ですが、通常なら活気に満ちて人でごったがえしているのもご想像いただけるかと思います。
ご近所のポルペロにも行ってきました。
海賊映画から抜け出てきたような古い漁村です。昔から実際にこんな雰囲気だったようで、18世紀ころ住民たちは昼はイワシ漁にいそしみ、夜は物資の密輸を行っていました。
村の中は狭い通りや路地がかけめぐり、花が咲き乱れるコテージやかわいいショップ、ティールームやレストランが並び、一歩足を踏み入れると、海からの風のささやきが聞こえカモメが飛び交う素敵な別空間が眼の前に広がります。
次に向かったのはリザード・ポイント。
先端にリザード・ポイントが位置するリザード半島はイギリス最南端の人の居住地で、とても美しい楽園スポットです。
純粋な汚れていない自然、潮の満ち引きによって一時間ごとに姿を変える透き通った海に突き出た崖、自然とひとの心が一つに調和してとけあう場所です。
そしてコーンウォール岬へ
コーンウォール岬は大西洋に突き出た岬で、ここが北大西洋海流の分かれ目になっています。
長年にわたりイギリス最西端はこの地だと誤って認識されていましたが、本当の最西端はランズエンド(英語で「地の果て」の意味)とわかり、そのように記録されたものの、この岬は依然として観光地化されておらず、いろんな魅力を感じさせてくれる場所であるように私には思えます。
さて、さらに足を伸ばしてランズエンドへ。ここには短時間いただけで、見どころの多いセネン・コーブへ進むことにしました。
セネン・コーブは美しい湾に面した小さな村で、湾沿いには白い砂浜が3km以上にわたって続いています。
ここから海を見晴らす美しい道が延々と続き、花咲く原っぱを過ぎるとランズエンドに着きます。この「地の果て」に立つと、自分はまさに世界の果てにいるのだと実感できます。
言い伝えでは、ランズエンドはかつてこの星の終着点だと信じられていました。確かに地平線では空と海が一つになり、ただただ青色ばかりが広がっていますから、納得する人もきっといるでしょう。
ランズエンド周辺には小さな村がたくさんあり、それぞれの村に新鮮な魚介をランチに食べられるお店が本当に数えきれないくらいあります。
コーンウォールのビーチ
もしイギリスに来ることがあれば、ぜひこの素晴らしいコーンウォールへ足を運んでみてください。
私にとってはまさにイギリスの本当の姿が見られる地方でした。さまざまな魅力を探しに多くの人々が訪れる素敵なエリアです。