• 2021.09.14
  • コスチューム&プレイ―ロンドンのコスプレ事情
コスプレと聞くと、ちょっと変わった趣味だと思う人がいるかもしれませんが、実はとても素敵な世界なんです。
「コスプレ」は「コスチューム(costume)」と「プレイ(play)」が融合して生まれた語で、コミックや映画、マンガ、それからアニメやビデオゲームなどの世界の有名キャラクターを真似た衣装を着る(そしてそのキャラクターに扮する)行為を指します。
コスプレは日本が発祥の地ですから、特に皆さんにご紹介する必要はないですよね。1970年代から1980年代にかけて、コスプレは広がり始めたようです。
ここイギリスではこれを職業にしている人もいて、最も有名なコスプレイヤーは、ソフトウェアハウスや出版社とのコラボの依頼を受けたり、各種イベントにゲストとして招かれたりしています。
コスプレの根底にあるのは何と言っても、楽しさと情熱です。
つまり、自分の衣装を作って、一つ一つのディテールにこだわり、数時間のあいだ自分とは別のキャラクターや人生を表現するときに感じる楽しさとそれにかける情熱です。
ロンドンはそのコスプレのイベント開催に最適な場所です。
アニメや漫画、映画、TVの連続ドラマ、カートゥーンなどに登場するキャラクターのミニチュア版や等身大モデルが大好きなイギリスの(そして過去には世界じゅうの)ファンたちにとって、この街のコスプレが基準となっていることは間違いありません。
ここヨーロッパでは、コスプレはかなりマイナーな現象として始まったので、他のファンと知り合うにはインターネットが一番手っ取り早いです。
ネット上では至るところにコスプレイヤーのコミュニティが作られていて、コスプレへの情熱を語り合ったり、アドバイスし合ったり、情報を交換したり、各種イベントやグループでの外出を企画したりするバーチャルな場として活用されています。
イングランドでもコスプレ専門のウェブサイトは多数あり、一般向けのサイトから、『ハリーポッター』やアメリカンコミック『マーベル』の作品などといった、特定の物語に影響を受けた人たちが集まる専門サイトまであるんですよ。
たくさんのオンラインコミュニティが、参加可能なコンテストやフェア、イベントの予定を記載した年間カレンダーをアップしています。
近年は、新興エンターテイメントに特化した、コスプレの販売やパーティー、展示会を組み合わせたフェアやフェスティバルが急増しています。
こうしたイベントには参加者として、出展者として、どちらとしてでも参加可能です。たいていのイベントは体験型なので、グループ活動や、ロールプレイングゲーム、交換会(ミニフィギュアや特定のテーマを基に作ったガジェットの交換など)に参加できます。
ロンドンではThe London Anime & Gaming Conという街最大級の有名コスプレイベントがあり、今年は7月31日から8月1日にかけて開催されました。


イベント会場へ向かうコスプレイヤーたち


私も土曜日に行ってきましたが、実に楽しかったです!
私自身はコスプレしませんでしたけれど、友人がコスプレしてコンテストに出場するというので一緒に参加してきました。
本当に楽しかった!
まずご紹介しておきたいのは、おそらくThe London Anime & Gaming Conは、コミック、アニメ、ゲーム(RPG、ボードゲーム、カードゲーム)、ビデオゲーム、ファンタジー画像、SF小説に特化した、イギリスで最も大切なフェアだと考えられているということ。
今回のイベント会場では、コミックやその他の書籍のパビリオンと、ガジェットや各種のテーマ衣装を販売するブースとが繋がっており、また、ショーや有名人のファンミーティング、コンサートを行うスペースも十分に確保されていました。
パビリオン間は、ウィグや奇妙なアクセサリーをつけ、多種多彩な格好をしたたくさんの人たちが行き来していました!
また、コスプレイヤーたちが銘々の衣装を披露する「キャットウォーク」なるものもあり、一番良かった衣装を選ぶ投票も行われていました。でもステージ周辺は多くの人でごった返していて、私は投票できずじまいでした。友人にはちょっとがっかりされましたが。
一番面白かったのは、人間の扮するキャラクターたちのウォッチングだったと思います。座ってドリンクを口にしながら、奇怪なキャラクターたちが通っていくのを私はじっと観察していました…。
まるで映画のセットや、おとぎ話の中にいるようでした。とても特別な経験ができました。

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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