• 2022.06.21
  • ロンドンでデザインを、史上最大のスケール
ロンドンのデザインミュージアムは、創造性に特化した世界最大の空間であり、デザインや建築を扱う最も重要な現代美術館の一つです。
世界中の名だたるアーティストのための最高水準の国際展示場であるばかりでなく、未来世代の才能豊かなデザイナーたちの革新的な取り組みや優れた能力の成長を促す、創造力の中心地でもあります。

デザインミュージアムは、ロンドン中央部西側のノッティングヒル・エリアとハマースミス・エリアの端境に位置し、ロンドン有数のショッピングストリートにある美術館です。
この地にはかつてはコモンウェルス・インスティテュートが居を構えていました。戦後イギリスで初めて作られた珍しい銅製の屋根とコンクリートのねじれたアーチ型天井をもつことから、多くの人々に建築の至宝と称えられてきました。
このコモンウェルス・インスティテュートをロンドンの新たなデザインミュージアムに変身させたプロジェクトには、ミニマリストなスタイルで知られる、世界的に有名な英国デザイナー兼建築家も参加しました。
来館者には建物の中に建物があるように見える、このミュージアム。木材とガラスを使った三階建ての箱のような造りで、その幾何学的なデザインがその上にそびえるコンクリートのアーチ形天井と調和しています。
このミュージアムはデザインにもっぱら特化した世界最大のミュージアムであるばかりでなく、有料の企画展と並行して無料の常設展を開催している唯一のミュージアムでもあります。
1階には広い吹き抜けのアトリウムがあり、入口の外に置かれたブロンズの巨大な頭像が来館者を出迎え、館内のさまざまなテーマのエリアへ案内してくれます。
アトリウムに隣接してミュージアムショップとカフェがあります。
このフロアには館内最大のギャラリーがあり、企画展はすべてここで開催されます。
最下階からはメインの大階段を使えば、ドーム型天井の下の見事なハイパボリックの屋根まですべてのフロアに行くことができます。
館内には20世紀から21世紀までの作品1000点以上が展示されており、年代別ではなく建築や工学、グラフィックやファッションなど、作品が関連する分野ごとにまとめられています。
常設展では、英国の高速道路の新しい道路標識図案や未来のロンドン地下鉄車両の斬新なグラフィックモデルなども展示されています。
また、無料コーナーには、ソーシャルメディアの世界と直接リンクしたオンラインのプラットフォームで人々が選んださまざまなもの(普段よく使われていて手ごろな価格の中で最も人気があるもの)が高さ6mの壁一面に展示されています。
テクノロジーとデジタル化に関して最前線にいる、デザインミュージアム。ソーシャルメディア上のフォロワー数は数百万人に上ります。
ミュージアムでは「クラシック」なものや20世紀の最も有名なデザイン作品を目にすることはなく、ミュージアムに関するデザインやコンセプトも、すべて未来に目を向けたものとなっています。
あるのは、イノベーションや実験、新しいものに関する研究ばかりです。
2階にはデザインと建築を専門に扱う蔵書豊かなライブラリーがあり、その隣にはレストランやメンバー専用ラウンジ、デザインスタジオが設けられています。
このほか、同じフロアにはデザインアトリエやクリエイティブ・ワークショップ、セミナールーム、役員室、メインレセプション、会議室、ショートフィルム(当然ながらデザイン関連)がよく上映されるフィルムスタジオもあります。
ギャラリー2は建築やファッション、家具、プロダクト、グラフィックデザインに関する企画展専用スペースになっています。
企画展は常時開設され、ファッションから建築、ITからグラフィックまで、さまざまな分野をテーマに2~3ヶ月ごとに展示が入れ替わり、関連するイベントも催されています。


ロンドンのデザインミュージアム

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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