• 2022.06.30
  • 女王陛下、プラチナ・ジュビリーのお祝い
ロンドンではつい先日、御年96歳のエリザベス女王(エリザベス2世)のプラチナ・ジュビリーが幕を閉じたばかりです。女王は英国の君主として在位70年を迎え、在位期間は英国史上最長を記録しました。
ジュビリーの祝賀行事のために長めの週末休暇を確保しようと、英国政府はこの期間をバンクホリデー(公休日)とすることを発表していました。
6月2日からクライマックスを迎える6月5日(日)まで、英国ではエリザベス女王の即位70周年が祝われました。女王は父であるジョージ6世の逝去に伴い、25歳で即位されました。
プラチナ・ジュビリーで残念だったのは、結婚74周年を迎えるはずだったフィリップ殿下が薨去され、女王の傍らにおられなかったことです。
エリザベス女王が戴冠してからの時代は、成功や悲劇、王室スキャンダルの連続でした。
憎悪や毒の使用によって分裂しているように見える王室の中で、唯一、エリザベス女王のイメージだけは絶え間ない批判にも再三耐え、こうした祝典の場でも国家の象徴として自身の存在をさらに確かなものにしました。
エリザベス女王が民主主義を脅しうる存在だと考える国民は一人もいません。むしろ、誰もがみな、女王を単に国を一つにするシンボルだと捉えています。
女王は義務づけられたしきたりに従うのみならず憲法を重んじて自身の役割を務め、それゆえに英国内外のすべての人々に愛されているのだと私は思います。
英国の君主制はその性質上、政治的枠組みを変える力をもたないため、女王は、政治判断を表明することを常に慎重に差し控えてきました。
この6月のプラチナ・ジュビリーでは、英国の各地で数千もの見逃せないイベントが開催されました。その中でも6月2日の「トゥルーピング・ザ・カラー」パレードは際立っていました。
兵士1,400人、馬200頭、楽隊400人が足並みを揃えてバッキンガム宮殿を出発し、大通りのザ・マルからホース・ガーズ・パレードまでを行進するという、まさに壮観なイベントでした。
パレードにはロイヤルファミリーの面々も馬や馬車に乗って参加し、チャールズ皇太子は女王の代わりに観兵式を行いました。
また、プラチナ・ジュビリー・ビーコンも素晴らしいものでした。王室の大きな祝賀行事には恒例のかがり火の点灯式です。
ロンドン(および英国のすべての街)は伝統的な「バンティング」で彩られ、お店や通り、バルコニーは旗や国旗の色で飾られていました。
お店ではプラチナ・ジュビリーをきちんと祝うために必要なありとあらゆるものが販売されました。女王が描かれたさまざまな土産品から、英国旗か王冠か女王のいずれかが描かれたお皿や花瓶、そしてストローまで並んでいました。
この行事では、まさに想像を絶する量の商品が売れたことでしょう。
イベントではジュビリーに関連して5,000を超える登録や発表があり、その多くはストリート・パーティが占めていました。
6月5日にはビッグ・ジュビリー・ランチが開催され、人々は家族や友人、同僚とビッグランチパーティを開いたりご近所のパーティに参加したりして、すべての国民が女王と、いうなれば女王に敬意を表して、食事を「共に」楽しみました。
ロンドン市内の公園に押し寄せ、ピクニックやバーベキューを楽しむ人も大勢いました。
さまざまな場所で長テーブルがセットされ、人々は食事を共にし、今年最大の地域イベントと思われるこの祝賀行事を楽しむことができました。
書店ではプラチナ・ジュビリーを扱った書籍も販売され、女王陛下について学び記憶にとどめられるように子供向けのものまでありました。
6月2日 午後9時45分ちょうどには、エリザベス女王の長きにわたる奉仕を称え、英国内やチャンネル諸島、マン島の2,000基の灯台に灯がともされました。

ロイヤルファミリーの人々は宮殿の正面からメインの灯台に点灯されるのを見守りました。
点灯と同時に、英連邦の全53か国の聖歌隊が新しい連邦国歌を歌いました。
もうこれ以上言えることはありません…女王陛下万歳!


プラチナ・ジュビリー記念グッズ

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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