• 2023.04.27
  • ロンドンのイースターを彩る伝統のケーキ
英国でイースターの代表的な料理と言えば、シムネルケーキです。レモンピール(レモンの皮の砂糖漬け)やドライフルーツがたっぷり入った、表面のサクサクしたパイ皮に使ったサフランの黄色が特徴的な、プラムケーキのようなお菓子です。
アングロサクソン人がイースターの時期に食べる伝統的なお菓子で、英国やアイルランドのほか、かつて英国領とされた地域では広く知られています。
キビ砂糖を使用したこの茶色いケーキにはフルーツの砂糖漬けやレーズン、ミックススパイスがふんだんに入っていて、濃厚な風味が楽しめます。生地と生地の間と表面はマジパンまたはアーモンドパウダーを練り込んだマジパンを使った二層仕立てになっています。
シムネルケーキの特色は表面に並ぶ11個のボールで、アーモンド風味のマジパンがここにも使われており、キリストの12人の使徒からユダを除いた11人の使徒が食卓につく様子を表しています。
四(し)旬(じゅん)節(せつ)の40日に亘る長い断食を終えたイースター・サンデー(復活祭)のために、復活祭前の金曜日に食べるホットクロスバンズに代わるものとして作られます。
起源ははるか中世にまで遡るらしく、他の代表的な伝統料理と同じく、土地それぞれに独自の作り方があり、ケーキの形も違っていたりします。
また、母の日にこのケーキを作るという伝統もあります。その日は若い娘たちが母親を休ませて、代わってさまざまな家事をこなすだけでなく、母親のためにケーキを焼いたと言われています。

レシピは次の通りです。
材料(10人分)

小麦粉 200g
ブラウンシュガー 175g
バター 150g
卵 3個
重曹 小さじ1
ベーキングパウダー 小さじ3
レーズン 80g
フルーツの砂糖漬け 80g
シナモンパウダー 小さじ1
ライムの皮 1片
ジンジャーパウダー 小さじ1
塩 ひとつまみ

<作り方>
-ブラウンシュガー、卵、バターで生地を作る
まず、ブラウンシュガー、細かく切り軟らかくなったバターを合わせ、ハンドミキサーや業務用ミキサーなどの泡だて器を使って混ぜる。
ふんわりしたクリーム状になったら、卵3個を1個ずつ加えて混ぜ、完全に混ざるまでよく混ぜ合わせる。
-残りの材料・粉類を加える
次に、小麦粉、重曹、ベーキングパウダー、シナモンパウダー、ジンジャーパウダー、塩ひとつまみを加え、さらによく混ぜる。
最後に、果汁またはラム酒などにひたして水気を切ったレーズン、フルーツの砂糖漬け、すりおろしたライムの皮を加える。
へらでよく混ぜる。
-型に生地を入れ、オーブンで焼く
予めバターを塗り小麦粉をふるっておいた、またはパラフィン紙を敷いた、大きめの型に生地の1/2を流し込み、平らにならす。
マジパンの1/3を使って直径18cmの薄い円形のシートを作り、型に流した生地の上に広げる。
残り1/2の生地を流し込み、平らにならす。180度に温めておいたオーブンで1時間45分焼く。生地の焼け具合を楊枝で確認し、焼きあがっていたらオーブンから取り出し、冷ます。
-ジャムを塗る
ケーキが完全に冷めたら型から外し、表面にアプリコットジャムを塗る。
-飾り付け
残りのマジパンで直径18cmのケーキよりやや大きめの円形のシートと、小さなボール11個を作る。円形のマジパンをケーキにかぶせ、表面にボールを飾る。
-仕上げの卵を塗って焼く
溶き卵に小さじ一杯の水を加えたものを最上部のマジパン表面に塗り、オーブンに入れてグリルで4分ほど焼くか、バーナーで焼き色をつける。
最後にケーキを冷まし、中央に卵や花、イースター用のケーキトッパーなどで飾り付けて、出来上がり。

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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