この日、J・K・ローリングのペンから生まれた若い魔法使いたちが、ホグワーツ魔法魔術学校で新学期を迎えるために、ロンドンのキングズ・クロス駅の9と3/4番線に停車中のホグワーツ特急に乗り込みます。列車は新学期が始まる9月1日の午前11時ちょうどに発車します。
2023年の「バック・トゥ・ホグワーツ」は、9月1日(金)と2日(土)の2日間、キングズ・クロス駅にハリー・ポッター特設エリアが用意されました。会場では、魔法使いをこよなく愛するファンがホグワーツへ思い思いの旅を体験することができ、写真や動画の撮影も楽しめる記念コーナーが3つ設けられていました。
それぞれのコーナーでは、魔法魔術学校へ向かう有名なシーンが再現されています。駅構内にあるレンガ造りの柱の壁(訳註:魔法界と人間界を行き来するための秘密の通路)を通り抜けるシーン、あの有名な9と3/4番線のシーン、そして魔法魔術学校の大広間で生徒たちが4つの寮に組み分けられるシーンです。また、ハリー・ポッターやハーマイオニー・グレンジャー、ロン・ウィーズリーをはじめとする、メインキャラクターたちの等身大の像も設置されていました。
これは今年のハリー・ポッターの記念日にちなんで、ロンドンで開催されたイベントのほんの一つに過ぎません。
実は、毎年9月、街では各種イベントや祭典、コスプレを楽しむ人々が参加するアクティビティなど、ハリー・ポッターをテーマにした最大級のお祭りが盛大に開催されるのです。
街ではスタジオ見学も
そんな時期に、「ワーナー・ブラザーズ・スタジオ ツアー・ロンドン:メイキング オブ ハリー ポッター」(Warner Bros. Studio Tour London – The Making of Harry Potter)に参加すれば、まさに夢のような体験が待っています。
ハリー・ポッター専用のスタジオを見学するガイド付きのツアーで、参加者はハリー・ポッターの作品が実際に撮影された映画スタジオを見学し、「ダイアゴン横丁」や「禁じられた森」などのオリジナルの舞台セットを見てまわりながら、ホグワーツ魔法魔術学校の内部を体験できるようになっています。
また、規模は小さいですが、やはり見逃すことのできないイベントも街のあちこちで開催されます。
ソーホー地区のベーカリーの地階には「魔法薬学の教室」(Potions Room)そっくりにリフォームされたティー・ルームがあります。
ハリー・ポッターの映画の世界に浸れるのはもちろんのこと、店内では色鮮やかな魔法のドリンクを注文し、実際に味わうこともできます。
ロンドンの老舗のパブでは定期的にパブクイズと呼ばれるクイズ大会が行われ、自分の実力を試したり、友人や他の客と競ったりすることができます。今月のクイズはハリー・ポッターがテーマです。
ハリー・ポッターをテーマにしたエスケープルーム(訳註:謎解き脱出ゲームのアトラクション)もロンドンにオープンしました。魔法使い3~5人がグループを組み、知恵を出し合って1時間以内に脱出するルートを見つけ出すというアトラクションです。
市内ではハリー・ポッターの物語の聖地をめぐる、ガイド付きウォーキングツアーもたくさん開催されています。中でも最も有名なのは「マグル・ツアー」(訳註:「マグル」はハリー・ポッターシリーズに登場する用語で、魔法を持たない普通の人間を指して使われる)です。
このツアーを目いっぱい楽しみたい人は、ハリー・ポッターシリーズの映画を全作品見ておくことをお勧めします。
ソーホーのアートギャラリーではハリー・ポッターの映画に着想を得た展覧会が開催され、多くの店のウィンドーにはハリー・ポッターとその仲間をテーマにしたディスプレイが飾られました。
市内の公共の庭園だったと思いますが(すみません、名前が思い出せなくて詳細がわかりません)、期間限定でハリー・ポッターに登場する魔法生物の彫像が置かれているのも見かけました。
ディスプレイが飾られた店のウィンドー
つまり、今回のイベントでは、ロンドンがハリー・ポッターと連携することにより、さらに不思議な魅力にあふれる街になったというわけです。
映画にはロンドンのさまざまな場所が登場します。セント・パンクラス、ミレニアム・ブリッジ、チャリング・クロス・ロード…ピカデリー・サーカスも『ハリー・ポッターと死の秘宝』(原題: Harry Potter and the Deathly Hallows)の舞台になっています。ハリーとハーマイオニー、ロンがウェストエンドのこの交差点を足早に歩いていくシーンがありましたね。