そんな中、ロンドンでは9月18日から24日にかけて「フューチャー・オブ・ザ・フード・フェスティバル」(The Future of Food Festival)が開催されました。私たちが食べる物や、シンプルかつより良い食生活を実践することでカーボンフットプリントが環境に及ぼす影響を軽減する方法など、持続可能性をテーマにしたイベントです。
資源のリサイクルや環境に配慮した行動と同じように、食品分野における持続可能性も現代の非常に重要な課題の一つです。
このフェスティバルは、私たちがグローバル社会の一員であり世界各地から食料を調達しているという現状を踏まえ、英国内だけでなく世界全体で持続可能な方法で食料を生産し、購入し、消費する重要性を訴えることを狙いとしていました。
ただ、これは私たちが直面している問題のごく一部に過ぎません。
フェスティバルでは、ゲストスピーカーたちは主に「地元の料理」を推進することについて、つまり、より新鮮な農産物を食べ、地元産の製品を買い、できるだけ自分で食物を生産することの大切さについて語りました。
会場はリージェント・ストリートとセント・ジェームズ地区のエリアです。環境への影響を少なくするために持続可能な方針を採用しているレストランや店が多いことから、他でもないこの場所が選ばれました。
一週間にわたって開催されたこのイベントでは、レストランのオーナーや好奇心いっぱいの来場者と共に食品業界の第一人者たちも参加し、「食卓から始まる、より良い世界を」という共通の目標のもとに交流の機会が数多くもたれました。
とても興味深い、魅力たっぷりのイベントでしたが、主な目的は来場者に啓発・教育の機会を提供することにありました。
ディスカッションや体験型のアクティビティはすべて、環境に配慮したライフスタイルを選ぶことや日頃の食習慣を通じて、持続可能性の向上に貢献できる方法を来場者に提示することを目的に企画されています。
このフェスティバルは、私たちが意識的に環境にやさしい選択をすることでどのような良い影響を与えることができるかについて、理解を深める機会を提供しています。なぜなら、「地球は私たち(の協力)を必要としている」からです。
このほかにも、専門的なトピックでは、衛星やドローン、ロボットを利用した今後の農業が取り上げられました。肥料や水の正確な投与量を計算して、作業を最適化し、資源やエネルギーの無駄を防ぐことができます。
もちろん、農業や畜産業者に大きな脅威を与えている気候変動についても、議論されていました。
公共機関や民間団体も参加し、来場者は積極的にさまざまな活動やディスカッションに参加して、廃棄物削減に取り組む方法や食品の回収と再利用の方法について学ぶことができました。
また、学校や大学、農場、街の協会の支援を受けて、教育活動も実施されました。
このほか、都市菜園作りの推進についてのトークや、農業政策、蜂と蜂蜜に関するワークショップなど、数多くの活動が行われました。
より持続可能性の高い未来の社会を目指した活動プログラムやさまざまな集まりを通じて、若者層を取り込むことに主眼を置いたイベントだったと思います。
活動や集まりの大部分は無料でしたが、ペスト作りのデモンストレーションや、持続可能な食をテーマとした料理レッスン、菜園や香りを楽しめるハーブ園を自分で作る方法など、有料の企画もあり、こちらは予約が必要でした。
普段から持続可能な取り組みを行っているリージェント・ストリートのレストランでは、持続可能性について顧客を啓発してその取り組みに「誘い込む」ために、今回のイベントに合わせた特別メニューを提供していました。
舌も心も満足の、あらゆる角度から楽しめた食の体験だったと言えるでしょう。
今まさに、私たちが自問するべき時が来たと思います。私たちが食べる物はどこから供給されるのでしょう。どうやって作られているのでしょう。そして、どのようにして、日々の簡単な行動を通じて環境を救うことができるのでしょうか?
フューチャー・オブ・フード・フェスティバルは、こうした疑問やさまざまな問いに答えてくれました。私たち誰もが考えなくてはならない問題ですね。
都市菜園の人気高まる